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スウェーデンボリー

13,136 バイト追加2014年8月5日 (火) 22:56
/* 能力 */
{{プロフィール
|種族 = [[神人種族]]
|性別 = 男
|出身地 = 不明
|誕生年 = 不明<ref>1000年以上前に現出。</ref>
|年齢 = 不明<ref>現出後、1000年以上生きている。</ref>
|声優 = 金光宣明
}}

'''スウェーデンボリー'''は、[[神人種族]]。[[蛇の中庭]]を創造した世界主にして、唯一の真なるアイルマンカー。他の神人と対立する「'''[[魔王]]'''」として知られる。

==概要==
1000年前に起こった[[神々の現出]]により世界に実体化した神の一柱。[[世界図塔]]における[[召喚]]の儀式によって確認された第二の神人。かつては一介の人間として存在していたが、ある時、[[常世界法則]]との一体化を果たしたことで神と同列に位する存在へと昇華したとされる。

「万物の覇王」、「魔法使い」、「仙人」などの異名を持ち、現出後には『[[世界書]]』、[[魔剣]][[オーロラサークル]]、[[魔王術]]を生み出し、[[ドラゴン種族]]や人間種族と関わった。

常世界法則が擬人化した存在である他の神人種族とは異なり、スウェーデンボリーは「[[ミズガルズソルムル]]全要素の創始者」、「'''唯一の真なるアイルマンカー'''」、すなわち現世界の創造神である。

==伝説==
一般に知られている伝説(おとぎ話)によると、スウェーデンボリーは[[ドラゴン種族]]に[[魔法]]の秘儀を盗まれなかった唯一の神であり、他の神々を滅ぼすことで自身が世界の唯一神にならんと目論んでいたため、神に仇なす「'''魔王'''」と呼ばれた。「[[スウェーデンボリーの天使と悪魔|天使と悪魔]]」と呼ばれる一対の下僕を従え、時間を呼吸し、夜空を食らって飢えをしのぐ、などとも伝わる。

女神信仰である[[キムラック教]]が[[キエサルヒマ大陸]]の国教に認定されたためか、神殺しの魔王の伝説は禁忌として扱われ始めたが、一方で魔王を真の神として拝する者([[魔王信仰者]])も密かに存在していた。

[[天人種族]]が語る言い伝えによれば、スウェーデンボリーは[[魔術]]の誕生と共に崩壊した[[常世界法則]]を、世に現出した全ての神人を抹殺することで「正常化」しようと考えているとされる。天人が[[魔術士]]のために遺したメッセージである[[魔王 (戯曲)|戯曲『魔王』]]においては、スウェーデンボリーこそが破滅に瀕したキエサルヒマ大陸を救済する鍵として語られている。

==経歴==

===現出前===
はるか昔、何処かの世界に生きる一介の人間であったスウェーデンボリーは、世の真理を求めて悟りの境地に挑み、肉体と精神を離れ、世界を超越した[[世界離脱者]](ウォーカー)、すなわち神となった。[[天人種族]]によって書かれた戯曲『[[魔王 (戯曲)|魔王]]』には、スウェーデンボリーが'''32年間'''は人間として生きていたことを示唆する台詞がある<ref>『[[エンサイクロペディア魔術士オーフェン]]』の秋田禎信インタビューにて、秋田はこの設定を「裏設定」と説明し、「たいした意味は無い」と付け加えている。</ref>。

[[神化]]に成功したスウェーデンボリーは、何も無い[[ギヌングガガァプ|虚無の空間]]に変化の要素を与え、後に「[[蛇の中庭]]」と呼ばれることになる新たな世界を創造した。

それから迂遠な時を経て、[[ドラゴン種族]]の[[始祖魔術士]]が引き起こした[[常世界法則]]の崩壊([[神々の現出]])に伴い、スウェーデンボリーもまた自らが創った世界に引きずり込まれるように現出し、不完全な[[神人種族|神人]]の肉体に身を落とすこととなった。

===現出後===
'''神人との戦い'''

スウェーデンボリーは崩壊した世界を元の状態に回復させるため、現出した神人種族をすべて抹消する考えに至り、神と同時に現出した[[巨人種族]]を率いて、神人種族との戦いを始めた。

'''キエサルヒマ大陸への召喚'''

およそ200年前、[[始祖魔術士]][[オーリオウル]]の消耗から、キエサルヒマ大陸を防護する[[アイルマンカー結界]]の破綻を予見した時の[[天人]][[司祭]][[イスターシバ]]は、大陸に降臨せんとする[[ヴェルザンディ|女神]]に対抗できる力を求め、当時伝説にのみ存在した魔王スウェーデンボリーの召喚を図り、[[タフレム市]]に巨大な[[召喚機]]([[世界図塔]])を建造した。

世界図塔ではスウェーデンボリーが記した歴史書である『[[世界書]]』の召喚が行われ、次いで[[聖域]]の[[第二世界図塔]]では『世界書』に従って人間を媒体としたスウェーデンボリーの召喚が試みられた。しかし、この実験は失敗に終わり、被験者となった[[ケシオン・ヴァンパイア|ケシオン・アレイクム]]を'''[[ヴァンパイア]]'''という恐るべき魔物に変貌させるという未曽有の惨劇を招く結果となった。その一方で、スウェーデンボリーの実在は証明され、同時にスウェーデンボリーもまた、キエサルヒマ大陸で[[魔術士]]として進化を遂げていた巨人種族の存在を知ることとなった。

'''二度目の召喚'''

時は現代に移り、かつてのイスターシバの予言通り、[[オーリオウル]]の死を境に[[アイルマンカー結界]]は決定的な破綻を迎え、女神[[ヴェルザンディ]]の降臨が目前へと迫った。人類の守護者として生み出された[[最接近領]][[領主]][[アルマゲスト・ベティスリーサ]]は、かつて天人種族が破棄した魔王召喚計画の再実行を、女神を退ける最後にして唯一の手段と考えた。[[聖域]]との攻防の末、[[第二世界図塔]]に集った[[アザリー]]、[[ロッテーシャ・クリューブスター|ロッテーシャ]]、アルマゲストの3名の[[召喚術者]]は、[[オーフェン]]を媒体としたスウェーデンボリーの力の召喚を試み、その全員の犠牲の下に召喚は成功を収める。オーフェンはその身に宿した魔王の無限力をもって始祖魔術士を消し去り、アイルマンカー結界を完全に撤廃することでキエサルヒマ大陸を女神の目から逸らすという選択を採った。

===その後===
結界の消滅後、[[原大陸]]へと渡ってきたオーフェンとコンタクトしたスウェーデンボリーは、人間と神人の間を調停する者の立場を取ることを表明し、人間側の代表として認めたオーフェンにその協力を要請した。かつての盟友ケシオンの名を借りてオーフェンの側近役を演じる傍ら、神人と巨人化の脅威に対抗する力として自身が編み出した[[魔王術]]を、原大陸の魔術士たちに伝授した。

神人に対して無防備なキエサルヒマの現状を危惧するオーフェンの要請を受け、[[マヨール・マクレディ]]によって《[[牙の塔]]》に連れ帰られると、キエサルヒマの魔術士にも魔王術を伝えた。しかし、事前にスウェーデンボリーの危険性を聞かされた[[フォルテ・パッキンガム]]に警戒され身動きが取れなかったため、後に[[貴族共産会]]に乗り換える。貴族共産会が密かに研究していた[[クリーチャー]]技術に目を付け、技術革新に手を貸した。

===新シリーズ===
[[リベレーター]]の要請に応じ、自身も[[ガンズ・オブ・リベラル]]に乗り込んで原大陸に帰還する。その後は大陸の政治状況を俯瞰するが、[[ヒクトリア・アードヴァンクル]]が窮地に陥ると船を浮上させて武力制圧に乗り出す。しかし、これは最初から[[ジェイコブズ・マクトーン]]にアイルマンカー結界を起動させるための陽動と時間稼ぎであり、自ら敗北して一時捕虜となる。

リベレーターに結界を起動させた真の目的は女神から逃げるための時間稼ぎであり、聖域から発掘した第二世界図塔を持ち込ませたのもオーフェンに奪われた自身の力を取り戻すためであった。今の段階でも勝算が薄いと感じたスウェーデンボリーはわざと結界を創らせる事で女神を引き付け、キエサルヒマにでも逃げ込んで再起を図るつもりだったと推察される。

オーフェンに地下奥深くの密室に幽閉されるが、[[召喚機]]の起動によって脱出を果たす。[[シスター・ネグリジェ]]に命じて力を取り戻そうとするが、その直前にオーフェンが生み出したオーロラサークルでシスターを滅ぼされ、失敗に終わった。

==人物==
現在は肉体を持って思考しているため一応「感謝」や「不快」といった人間的な感情もある程度は理解しているが、本来は人間の事を、生死にこだわる事も、他人に思い入れを持つ事も理解できない。そのため人間から見ると非常識な行動を取ることも多々ある。このように中途半端ではあるが人間のことを理解しているため、神々の中では例外的に人間に対して好意的であり、人間の望みを叶えてくれることもあるが、人間に対する理解が不足しているために、人間から見るとおかしな形で望みを叶えてしまう場合もある。ケシオン・ヴァンパイアはその好例であろう。オーフェンに対しても同様に望みを叶えてあげようとしたことがあり、オーフェンは危うくその誘惑に屈してしまう所だったという。<ref>その時オーフェンは、人生で最悪はいくらでも更新があるが、最良はそれより少しマシでしかない事を嫌というほど思い知らされた。</ref>

元々は肉体と精神の束縛を離れ悟りを開いた人物であったが、現出して肉体と精神を得てしまった今では悟りがどのようなものであったのか理解できなくなってしまっている。そのことに不快感を抱いており、彼が常世界法則を回復しようとしているのはそれが動機であるらしい。

==能力==
いかなる場所でも空間を越えて移動する事が出来るほか、他者の[[魔術]]の[[構成]]に干渉し、制御することができる。<ref>スウェーデンボリー曰く、神人にとって魔術は力の範疇に入らないらしい</ref>。また、人間の[[巨人化]]をコントロールする力を持ち、自らが生み出した[[オーロラサークル]]を介して対象に干渉する事も可能である。

当人は自身には何の力もないと称しているが、これは真に神であった頃から比べると現出によって弱体化しているため。本人曰く今の彼は赤ん坊のような状態であるとのこと。またオーフェンに力を奪われて、魔術を組む事ができなくなっている。必然として、自ら生み出したはずの魔王術も使えない。

==関連項目==
* [[魔王 (戯曲)]] - [[スウェーデンボリー (人形)]]
* [[スウェーデンボリーの天使と悪魔]]
* [[魔王崇拝]]
* [[魔王術]] - [[魔王術者]] - [[魔王術士]]
* [[ケシオン・ヴァンパイア]]
* [[オーロラサークル]]
* [[世界書]]

==声優==
* [[wp:金光宣明|金光宣明]]
** ドラマCD : [[魔術士オーフェンはぐれ旅 魔術学校攻防#ドラマCD|魔術士オーフェンはぐれ旅 約束の地で]] (2012年)
** ドラマCD : [[魔術士オーフェン しゃべる無謀編]] (2012年)

==脚注==
<references />

==登場作品==
{{登場作品
|新シリーズ =
* [[魔術士オーフェンはぐれ旅 約束の地で|約束の地で]]
* [[魔術士オーフェンはぐれ旅 解放者の戦場|解放者の戦場]]
* [[魔術士オーフェンはぐれ旅 魔術学校攻防|魔術学校攻防]]
* [[魔術士オーフェンはぐれ旅 鋏の託宣|鋏の託宣]]
}}

==出典==
* 『[[魔術士オーフェンはぐれ旅 我が塔に来たれ後継者]]』
* 『[[魔術士オーフェンはぐれ旅 我が遺志を伝えよ魔王]]』
* 『[[魔術士オーフェンはぐれ旅 我が聖域に開け扉(下)]]』

[[Category:神人種族]]
[[Category:人物]]
[[Category:神話]]
[[Category:索引]]

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