概要
大陸魔術士同盟トトカンタ支部を前身とする、大陸魔術士同盟（後にキエサルヒマ魔術士同盟）や《牙の塔》から独立した新たな魔術士組織。代表者はハーティア・アーレンフォード。
大陸魔術士同盟トトカンタ支部は、元より同盟の中では特に自治性が強く、キエサルヒマ紛争のトトカンタ防衛戦を機に、当時支部長だったハーティア・アーレンフォードが正式に同盟からの離脱を決定。彼とその配下が中心となり、トトカンタ魔術士同盟が設立された。
歴史
キエサルヒマ紛争当時、終戦後を含めた大陸の政治情勢を憂慮していた大陸魔術士同盟トトカンタ支部のハーティア・アーレンフォード支部長は、貴族連盟による港湾施設の襲撃・破壊に対する迅速な対応を行い、その信任を利用して市議会と接近した。プルートーが発した《塔》への召集には半ば応じることなく、精鋭の魔術士を手元に残すことで独自の戦力を組織し始めた。ハーティアの懸念は図らずして当たり、マスマテュリアの氷解に伴って騎士軍は南ルートから進軍、トトカンタ防衛戦が勃発する。戦闘は市街戦にも及び、トトカンタ支部の魔術士が市の防衛に大きく貢献した。
この戦いを指揮したハーティアは稼いだ勲功によって莫大な利益を獲得し、その功績をもって大陸魔術士同盟からの独立を宣言。自らが代表・運営を務める魔術士組織を設立した。
組織
トップに立つハーティアを筆頭に、彼の部下や弟子たちが主な構成員となっている。組織としては設立されてまだ20年足らず、規模にしてキエサルヒマ魔術士同盟の10分の1にも満たないため、権威を維持するために「正統」であるキエサルヒマ魔術士同盟との対立を意図的に演出しており、ハーティアの「戦争を食い物にした悪魔」というマイナスイメージもその戦略のために利用している。
ハーティアの弟子たちはより実戦的な戦闘訓練を受けており、正統であるキエサルヒマ魔術士同盟に対抗する意味も込めて（半分くらいハーティアの趣味も混じっているだろうが）、アクの強い奇術師団のような格好を演じている。
トトカンタ防衛戦で活躍したマジク・リンがもしキエサルヒマに留まっていた場合はその筆頭になっていた可能性もあり、彼の母アイリス・リンの異名である「ブラディ・バース」を襲名する事になったのもその名残である。
実態
上記の説明はあくまでも「表向き」である模様で、所属している魔術士の九割以上が変人という有様であり、戦闘以外の実務を期待するのは難しいと思われる。そのため、組織の運営はハーティアとラシィが取り仕切っており、特にラシィは秘書という肩書ながら実質的なナンバー２の地位にある。
トトカンタ魔術士同盟は専用の訓練施設を持っておらず、魔術の修業は各自の自主性に任せている。これは構成員のほとんどが変人ばかりであり、専用の訓練施設を設けると変人を量産することになりかねないからと思われる。そのため、構成員は悪役として街で暴れまわり、それをブラックタイガーに変装したハーティアが倒すという形で訓練としている模様。
同盟員
備考
魔王術が《牙の塔》にもたらされたことでトトカンタ魔術士同盟の独立性が揺るがされかねないことを懸念したハーティアは、牽制の意味も込めて魔王術士の確保に乗り出している。その一環として、魔王スウェーデンボリーを誘拐する計画も立てられたが、神人種族を御することは不可能という結論から断念された。