概要編集
タフレム市の北、フェンリルの森と荒野のちょうど中間の位置の林間に点在する無人の劇場。約200年前に天人種族のシスター・イスターシバによって建造され、戯曲『魔王』が上演された。館は地上2階建ての構造で、屋根からは一本の尖塔が突き出している。
200年前(貴族内革命以前)のある日、劇場に招かれ『魔王』を観劇した当時の王は、その演目の筋立てが魔王スウェーデンボリーを称える賛歌であることに激怒し、劇場関係者の処刑と劇場の取り壊しを命じた。しかし、その任を受けたキムラック教会は劇場をそのままの状態で隠匿し、以後200年間、カミスンダ劇場は無人の劇場として放棄された。
現在では、劇場とその周囲には侵入者を排除するためのトラップやガーディアン(人形によって作り出された、翼の生えた犬の姿をしたクリーチャー)が配備され、人間を感知すると無差別に攻撃を仕掛けるようプログラムされている。
完全な木造建築でありながら、200年経った現在まで傷一つつかずに保存されているのは、魔術文字による防壁が張られているためである。
フロア編集
入場口から入ってすぐの広間はロビーになっている。床面積は180坪ほど(40m×14、5m)で、カウンターと、2階へと続く大階段以外には何も無い。階段の踊り場には、王家からの下賜品であるスウェーデンボリーの天使と悪魔を象った2体1対の彫像が立っている。禁忌とされる魔王の配下である天使と悪魔の像が見られるのは、大陸でも唯一ここだけである。
2階に上がると両開きの扉があり、その奥は待合ホールである。運動場のような内装で、白いベンチがいくつか備え付けられている。さらにその奥には両開きの大扉と、下に降りる階段がある。階段を下りると劇場の舞台と1階の客席に出る。
地下劇場編集
劇場の地下には隠されたもう一つの劇場、「カミスンダ地下劇場」があり、真の戯曲『魔王』を伝えるため、人形たちが眠っている。「選別の廊下」によって振り分けられた資格を持つ者(=魔術士)だけを客席へと転移する。