天人の処刑場
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天人の処刑場(てんじんのしょけいじょう)は、天人種族の遺跡。
概要[編集]
レジボーン山脈の峡谷を覆う森の中に立地する施設。レジボーン地方には天人種族の処刑にまつわる伝説やそれに関連する施設と見られる遺跡が多く発見されていたが、森に凶暴な肉食獣が生息しているという先の報告からそれ以上は調査の手が入らず、肝心の処刑場だけが発見されていなかった。後に、貴族連盟遺跡調査会のコンラッド研究員が調査に訪れ、処刑場に該当すると思われる施設は発見されたものの、言葉通りの意味での「処刑場」は存在しなかったことが確認された。
処刑場とされる施設は四角推(ピラミッド)を逆向きに立てたような形状の建物で、天人が犯罪を犯した同胞を処罰するための場所として設置されたと考えられる。施設の内装も天地が逆に設計されており、これは重力を反転させられた罪人(※後述)が施設内で生活するための措置である。各部屋を繋ぐ通路には要所要所に空間転移の魔術が施され、刑場内で唯一の広間には、巨大な培養水槽(試作の蘇生装置)が鎮座している。
天人の「処刑」[編集]
刑場が造られた当時、すでに天人種族は絶滅の危機に瀕しており、種の数を減らす「死刑」という刑罰はもはや意味を成さない方法になっていた。そこで、効率よく同胞を罰するために考え出された苦肉の策が、一度処刑した後に再び蘇生させるという方法であった。
刑場に連行された罪人は、まず天人によって製造された人造生物「猿」の透過魔術によって肉体を分断され、その内部に重力反転の魔術文字を刻まれた後、施設に投獄される。これは処刑執行までの間、施設外に逃げられないようにする一時的な措置で、時間が経てば効果は消える。実際の処刑の内容は不明だが、処刑後は蘇生装置によって時間をかけて受刑者の蘇生を行い、それまでの時間が罪人に対する「刑期」となっていたようである。
このシステムによって、天人は絶大な力を持ちながらも円滑に司法を行っていたとされる。しかしながら、結局天人は絶滅を回避できなかったという事実から、蘇生装置そのものは不完全な発明に終わっていたという指摘もある。