王立治安構想
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王立治安構想(おうりつちあんこうそう)とは、キエサルヒマ大陸の統治に際して貴族連盟が提唱した治安維持計画の総称である。
概要
約200年前、貴族内革命によって王家を廃し、王権を手にした貴族連盟は、キエサルヒマ大陸を統治する権利と義務を負うこととなった。貴族連盟は大陸に居住する全大陸民の生活安全の保証を宣言し、大陸全土の平和を恒常的に維持する統治政策として「王立治安構想」を打ち出した。
この構想を実現するための主軸となる組織として騎士団が設立された。騎士団は、騎士軍、派遣警察、王権法廷の三本柱によって構成される一大司法組織であり、貴族連盟はこれを実効力として大陸全土の犯罪や紛争、反社会活動を取り締まりを行った。
来歴
発足して200年の間はリベラルに統治されていたが、赤光帝37年辺りから支配に陰りが見え始めてきた。大陸史上初めて自治を宣言した アーバンラマ市に続き、西部のトトカンタ市やタフレム市も自治性を強めていった。かつてはアーバンラマそのものに王権反逆の嫌疑をかけた事もあったが、キムラック市に幽閉されていた天人種族の始祖魔術士オーリオウルが死に瀕し、それに伴って暴走を始める聖域に対抗すべく最接近領に注力する必要があったため、西部に対し嫌疑をかける余裕がなかった。
しかし、長過ぎた支配は支配階級である貴族に意識の低下を促し、大陸の平和を維持するよりも自分達の支配を続ける事こそを優先するようになっていった。拳銃の製造と使用を事実上独占し、各都市の自治範囲を超えて犯罪を取り締まる派遣警察も各都市を監視する諜報組織の一面を見せるようになっていった。特に露骨に干渉した相手が魔術士であり、白魔術士すべてを霧の滝に幽閉し、大陸魔術士同盟の力を削ぐために甘い餌を蒔いて数多くの魔術士を引き抜き、手駒として操るために宮廷魔術士《十三使徒》を設立した。だが、貴族連盟の内部にも王立治安構想の限界を予期していたものも少なくなく、宮廷魔術士も貴族に対して服従していたわけではなかった。崩壊の兆しを見せ始める中、運命の女神ヴェルザンディはアイルマンカー結界の綻びをかいくぐって大陸に乗り込もうとしていた。
王立治安構想の撤廃
結界の崩壊後、貴族連盟と大陸魔術士同盟の対立に端を発してキエサルヒマ大陸の各地で混乱が起き、情勢は一気に不安化した。王立治安構想の瓦解を恐れた貴族連盟による弾圧政策は裏目となり、アーバンラマ市では一部の資本家が大陸脱出を図って外大陸開拓計画を発足し、トトカンタ市は魔術士同盟に同調してタフレム市と共に貴族連盟への反抗を表明。アレンハタム市もこれを支援した。やがて、大陸を二分する大規模な内戦状態に突入した。
終戦後、反抗都市連合の制圧に失敗した貴族連盟は、王立治安構想の撤廃を余儀なくされた[1]。
宣言
大陸における人間種族は生活を保障され、自然死を迎える権利を得ている。
概念図
王立治安構想
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脚注
- ^ 内戦中、ヒクトリア・アードヴァンクルとジェイコブズ・マクトーンの二人の貴族が王立治安構想の解体に動いている