十三使徒
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宮廷魔術士《十三使徒》(きゅうていまじゅつし じゅうさんしと)とは、宮廷直属の魔術士によって構成される軍事組織の通称である。
概要[編集]
王都メベレンストの貴族に仕える精鋭の黒魔術士たち。貴族連盟の傘下にあり、「王都の魔人」と称される稀代の魔術士プルートーによって統括される。近代では《牙の塔》をも凌ぐ大陸最高位の魔術士集団として認知され、魔術を学ぶ者の羨望の的となっている。
《十三使徒》とは、狭義的には頂点のプルートーを含めた13人の最精鋭の魔術士たちを指し、ナンバーズとも呼ばれる。ナンバーズの中には特例的に騎士の称号を与えられている者も存在する。その下に、およそ100名近くの非ナンバーズの宮廷魔術士が控え、それらを含めた全構成員が広義的な《十三使徒》と呼称されている。
牙の塔との関係[編集]
慣例的に《牙の塔》で優秀な成績を修める生徒は、王都から派遣されるスカウトの調査を経て、《十三使徒》へのヘッドハンティングを受けることが多い。《塔》の生徒に限らず、魔術士を志す者の大半は宮廷に引き上げられることを魔術士にとって最高の栄誉と考えている。オーフェンもかつて《塔》に在籍していた頃、15歳という異例の若さ(当時としては最年少)で入宮審問を受ける機会を得たが、無二の人材の流出を恐れた《塔》最高執行部の陰謀によって破談している。
歴史・沿革[編集]
貴族内革命後、貴族連盟が人間貴族の手による大陸統治の実現に向けて邁進する中、彼らにとって目下の脅威となっていた勢力が大陸魔術士同盟およびその総本山となる《牙の塔》であり、これに対抗するべく組織されたのが《十三使徒》である。貴族連盟は《牙の塔》から優秀な魔術士を次々と引き抜くことで《塔》の権勢を削減すると同時に、魔術士そのものを自らの手札として従えるという一挙両得の策を弄した。さらに、王都独自の魔術士養成機関(通称「スクール」)を設立し、雇い入れた《牙の塔》出身者に生え抜きの人材の育成を指示した。
約20年前、スクールがプルートーという当代随一の傑物の輩出に成功したことで、《十三使徒》とスクールは大陸内での影響力を飛躍的に強め、魔術士組織としての権威は《牙の塔》に匹敵するものとなった。
最接近領との対立[編集]
《十三使徒》の長となったプルートーは、聖域を刺激してドラゴン種族との戦争を起こそうとする最接近領の存在を危険視し、《霧の滝》の白魔術士たちと結託し、長きにわたって彼らと水面下で死闘を繰り広げてきた。プルートーは最接近領が貴族の領地であることに構わず、貴族連盟の意向を仰がずに独断で領内へ暗殺技能者を派遣し、さらに《牙の塔》との連携をも画策するなど、プルートーにとって《十三使徒》が貴族連盟の支配下にあるという意識は極めて薄いようだった。
十三使徒の解体[編集]
最接近領領主アルマゲスト・ベティスリーサの暗殺計画と、それに次ぐ聖域への侵攻作戦の結果、多くの犠牲を出した《十三使徒》はその総数を10分の1以下にまで減らす事態となった。貴族連盟はこの責任についてプルートーを厳しく糾弾し、《十三使徒》は解体を余儀なくされた。プルートーは《十三使徒》の反乱を扇動した首謀者として王権反逆の罪に問われ、法廷に引き出されたが、それを引き金として大陸魔術士同盟と貴族連盟の対立が表面化し、プルートーは生き残った十三使徒を率いて《牙の塔》へと逃げ込んだ。
その後、魔術士同盟と貴族連盟は和議を結んだが、聖域で戦死した《十三使徒》のメンバーは20年以上経た『第四部』においても名誉が回復されず、プルートーに至ってはキエサルヒマにおけるあらゆる要職に就く資格を失い、自分の教室を持つ程度の権限さえ回復していない。
新シリーズ[編集]
『第四部』において、元《十三使徒》のマリア・フウォンが新たな《十三使徒》(正確にはキエサルヒマ魔術士同盟メベレンスト支部)を開設し、トトカンタ魔術士同盟や《塔》の卒業生などを相手にスカウト活動を行っている。
《塔》からはイザベラ教室出身のデーボン・カーターとカミランが出向し、幹部候補となっている。
十三使徒一覧[編集]
- プルートー (No.1)
- マリア・フウォン (No.2)
- クラベ・ラシール (No.5)
- シーク・マリスク
- カコルキスト・イストハン
- イールギット・スィートハート
- イザベラ
- ディック・シモスーン
- ブリック