地人種族
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地人種族(ちじんしゅぞく)とは、キエサルヒマ大陸に棲息する種族の一つ。キエサルヒマ大陸の原住民族であり、現在は大陸南端部のマスマテュリア地方に自治領を築いて生活している。
概要[編集]
外見は天人種族や人間種族によく似ているが、身長は平均して130cmほどまでしか成長しない。体重は重く、水に沈んでしまうが、その分肉体は極めて頑丈であり、マスマテュリアのように人間種族にとっては生存すら不可能な過酷な環境においても難なく生活ができる。魔術を行使することはできない。
歴史[編集]
1000年前にドラゴン種族たちがキエサルヒマ大陸に渡来した以前から既に大陸の全土にわたって居住していた。真の「人間種族」である。ドラゴン種族が大陸に移植し、統治を始めてからは、地人種族はその生活圏を奪われ、南端のマスマテュリアへと追いやられた。かつてはドラゴン種族と大陸の覇権を巡って戦争を起こしたこともある(地人戦争)。しかし、ドラゴン種族との戦争に敗れ、神人種族の襲来やドラゴン種族による環境改変によって過去の遺跡を軒並み破壊されてからは、ルーツもアイデンティティーもほとんど失ってしまった。
200年前、衰退したドラゴン種族が聖域に隠遁し、大陸の支配権は人間種族へと移ったものの、地人種族はかつての凄惨な戦争を訓戒として争いを忌避していたため、もはや再び勢力を広げようという意思は見せなかった。
後日談[編集]
アイルマンカー結界崩壊後、トトカンタ防衛戦と前後してウォー・ドラゴン種族も死滅するとマスマテュリアが氷解し、街道が開けて人間種族が往来するようになった。もはやマスマテュリアに留まり続ける意味がなくなった事を悟ると、地人領を解散して各自気の向くまま放浪する道を選んだ。
地人再興運動[編集]
王立治安構想が解体されて聖域に封印された過去の歴史が解禁されると、貴族共産会の一部で地人に対する贖罪を行うべきではとする運動が生まれた。この運動は主流にはならなかったものの、失墜した貴族の権威を盛り返すスローガンとしては馴染みやすく、それなりの流行に発展した。
主な推進者はマーリー・エバーラスティンで、十数年に渡る地人と交流してきた彼は新たな地人領建設のために開拓公社と地人双方に呼びかけている。ただし、地人側からはそれを人間種族による奴隷化ではないかと警戒され、どこか上から目線的だとの反発もあって作業は難航している。開拓公社側も地人にまとめる人材がいないため、当面は推進者マーリーを地人領領主代行にする方向で話を調整している。
生態[編集]
地人種族はキエサルヒマ内戦までは基本的に地人自治領マスマテュリアから外に出ることはなく、人間領でその姿を見かけることはほとんどなかった。自治領では、酷寒でも成長する万能植物の栽培によって集団生活を営んでいた。他種族との交流は皆無に等しかったが、一部の限られた場所でのみ交易を行なっていた。
しかし、マスマテュリアが氷解し、街道が開けて人の往来が盛んになると地人も土地を離れて各地を旅するようになり、氷解から20年経過した新シリーズでは地人の姿は珍しくなくなった。
最も特徴的な生態は、その極めて頑丈な体躯である。外部からの物理的な衝撃に強く、ほとんどケガをしない。生物的に過酷な環境下においても生活を営むことを可能とし、栄養を摂取しなくともなんとなく生き延びられるというアバウトな人体構造を形成している。
知能は人間と同等か、それ以上程度に高い。言語は大陸新語と、母語である地人語を使い分けている。
毛皮のマントを伝統的な民族衣装としている。
生殖方法[編集]
月に一度、真夜中から大勢で一斉に殴り合いを始め、朝になると一人増えているという逸話がある。 その信憑性は定かではない。