キエサルヒマ大陸において「最強」と呼ばれる兵たち。
魔術士
オーフェン
少なくとも大陸で第一級の実力を持った黒魔術士である。
「決戦能力――あ、これは《塔》の用語だけど、ま、とにかくそいつにおいちゃ、あいつは文句なしのトップレベルさ。戦闘技術では、あいつより勝れた人間は《塔》だけで何人かいる――それにしたって決して多くはないけどね。でもいかなる状況でも標的を仕留められる技は、あいつに特有のものだ」
歴史ある大陸黒魔術の最高峰《牙の塔》において、まさしく。"最強"と冠されたその魔術士は、まだほんの少年に過ぎなかったのだから。
アザリー
目の前に立っているのはアザリ――天魔の魔女。チャイルドマン教室内でも文句なしに最強の魔力を持つ、ほぽ同い年の彼女の妹だった。
ちなみにアザリーは、教室内で最強と言われるほどの黒魔術の使い手であるのみならず、白魔術まで用いる。バケモノである。
弱冠二十歳の彼女が、実は《牙の塔》でも最強の魔術士のひとりであることを知らない者はいない。
彼女は紛れもなく上級魔術士の一員であり、その頂点を極めているうちのひとりだった。最強の魔術を行使する。教師たちと肩を並べて遜色ない力を備えた、破格の黒魔術士である。
レティシャ・マクレディ
《塔》でも最強と恐れられる、彼の姉――(略)
レティシャが組み立てた魔術の構成は、速いだけではなく、限定された力の総量をせまい空間に引き絞って放出する緻密なものだった。舌を巻くしかない、大陸でもまさしく最強の力を持った姉の魔術。
コルゴン
それがコルゴンの――キエサルヒマ大陸で紛れもなく最高の暗殺者の、役割。
コルゴンは特殊な魔術士だった。才能ひとつでは手に入れることのできない力と、そしてなにより、余人には追求しても追いつかない決定的な強さを持った魔術士だった。
こちらへと向き直る最強の暗殺技能者ユイス・エルス・イト・エグム・エド・コルゴン。
チャイルドマン・パウダーフィールド
チャイルドマンは、まさしくこの大陸でも最高の黒魔術士のひとりである。
「ああ、俺の先生だからな。大陸で最強の黒魔術士と言っても過言じゃない。専門の訓練も受けた、正真正銘、筋金入りの鉄の殺し屋にもなれる男だ」
ゆっくりと、暗い影の奥から語りかけてくるのは、物静かで感情のない声――大陸最強の黒魔術士チャイルドマンの声……
「《塔》の支配者が長老たちでないことくらい、物心ついてない見習いですら知ってるわ。チャイルドマン教室を擁する最強の黒魔術士、チャイルドマン失踪後の《塔》の秩序は急速に失われつつある。
大陸で最強の黒魔術士であり、史上最高の知識と実行力を持った偉大な《塔》の教師の名前を、マジクは知らなかった。
「比じゃなかった――はっきり言ってな。これはチャイルドマン教室にいた生徒すべてに言えたことだが……誰ひとりとして、師である彼には追いつけなかったのさ。チャイルドマンは史上でもふたりと見ない超人的な力を持っていた」
身体つきも、あの大陸最強の黒魔術士に比べれば、一回り小さい。
(大陸でも最強の黒魔術士が、わたしの先生だった――そしてわたしも、その最強の魔術士の一員となった。そしてまたそれとはさらにレベルの違う、ドラゴン種族の圧倒的な力というものも見たことがある)
「汝を産んだ者として、我は、汝には最高の教育を施したつもりだ。汝はすべてにおいて、それを最大限に活かしてくれた――魔術はもとより、およそ現在の人間種族で、知識、行動力、理解力、先見性……いかなる分野でも、汝を超える者はいない」
大陸最強の魔術士であり、自分の師であった人間の名前が、脳裏によぎる。
だが《塔》内ではこの男を、大陸最強の黒魔術士という。その噂が駄法螺とも言い切れないほどに、確かにチャイルドマンは極めて強力な魔術士には違いなかった。
マリア・フウォン
大陸黒魔術の最高峰たる《牙の塔》における、最強の魔術士のひとりである。
「第四の調査隊に、ついに《塔》執行部は最強の魔術士を派遣することを決心。かのマリア・フウォン教師までが失敗するに至れば、恐らく執行部はこの遺跡を調査不能の危険度Aへとランクアップすると思われる……」
反射的に下を見ると、その場に、戦闘服に身を包んだ最強魔術士が、ぐったりと倒れ伏している。
ダミアン・ルーウ
大陸で最強の術者として――無論この地位は非公式のものであるが……
ダミアン・ルーウ。表舞台に出てくることはないが、大陸で最高の魔術士だ。はっきり言おう。君などとは比較にならない、ネットワークの使い手だ」
大陸における魔術のハイマスター。最高にして無比の魔術士。ダミアン・ルーウ。
史上、最も長く存在している精神士――強大化し過ぎた白魔術士。
プルートー
その卓抜した能力から、《十三使徒》の長、最強の黒魔術士と言われた魔人プルートーとも互角なのではないかと噂された。
シーク・マリスク
暗殺者シークは間違いなくトップクラスの魔術士だったはずだ――
ウオール・カーレン
老いてまだ強靭で――チャイルドマン亡き今、名実ともに《塔》最強の暗殺者であるウオール・カーレンの絶叫を耳にし、オーフェンは静かにそれを受け止めていた。
ラモニロック
人間種族の始祖魔術士と名乗っていた。それが事実なら、人間種族にとっては最強の魔術の使い手ということになる。
ドラゴン種族
ミスト・ドラゴン
ドラゴン――それも、地上最強の破壊力を持つ蒸気ドラゴンである。
フェアリー・ドラゴン
ディープ・ドラゴン
ディープ・ドラゴン種族は視線によって、大陸でも最強クラスの精神魔術を用いる。
ドラゴン種族の中でも最強と言われるもののひとつ。
ディープ・ドラゴンと戦うことのできる力などこの大陸にはない。ディープ・ドラゴン同士が争うことなどないのだから、真実、無敵の存在ということになる。
ディープ・ドラゴンは牙を使わない。魔術士として攻撃の究極に達したこの種族は、攻撃手段として肉体を使うことはない。
これは戦士の種族であり、敵を滅ぼすためだけに存在している。そこには言い訳も、容赦も、なにもない。視線によって繰り出される暗黒魔術、最強無比の精神支配術は、およそ人の力では防ぐことも逃げることもできない。キエサルヒマ大陸史上かつて、ディープ・ドラゴンを退けた存在はない。
レッド・ドラゴン
キエサルヒマ史上、初めてのことかもしれない。この最強の戦士たる生き物が殺されたというのは。
イスターシバ
ウィールド・ドラゴン種族の中でも――始祖魔術士を別とすれば――最強最大たる司祭、イスターシバの力。
その他
備考
「一巻、二巻、でこの巻まで、いったい何人の『最強』が出てきたか覚えてる?」
「※う゛……実はちょっと気にはしていたんだが。でもそれは、ほら、ボクシングの世界チャンプみたいなもんでさ、たくさんいるもんなのさ」
「だいたい、主人公にしてからが『最強の男』のくせに、なんか弱いのよねー」
「彼は……ほら、ウェルター級のチャンピオンってトコだから」
「……そゆこと言ってると、レナードに怒られるわよ」
「最強には違いないんだから、いいじゃんか。でも真面目な話、登場人物たちに片っ端から『天才』の称号を与えまくるこの作者ですが、実はランク分けがしてあったりします」
「?」
「つまり、主人公の『天才』ってのは、しょせん学生の中での天才、対して主人公の教師Cの『天才』は紛れもない世界的な天才を指すわけです」