概要編集
精神と時間を支配する上位の音声魔術である白魔術の使い手。その数は黒魔術士と比べると非常に少なく、キエサルヒマ大陸のどこかにあると言われる《霧の滝》と呼ばれる施設にのみ実在するとされ、帆船の紋章をシンボルとしている。
白魔術士は、通常の肉体を持つ肉体士(にくたいし)と、肉体を解消して精神だけの存在となった精神士(せいしんし)に分けられる。精神士は常態では幽霊のような希薄な存在であるが、肉体という束縛から解放されたことで、魔術をより効率的に行使できる状態とされている。実際に、精神士の行使する白魔術は肉体士のものよりもさらに高次のレベルに達している。しかし、精神士は自身の精神体(=自我)を保っているだけでも常に魔力というリソースを消費し、力を使い果たすとその存在ごと消滅してしまうというリスクを背負っている。最接近領が擁する精神士ダミアン・ルーウは、精神体となってから数十年もの間現世に留まり続けていたが、それほど長期に渡って自我を保てる例は非常に稀であるという。また、精神士の中には精神士こそが白魔術士の正統であると考え、肉体に固執する肉体士を俗物として見下す者もいる。
ドラゴン種族にも匹敵すると言われるほどの絶大な力を有する白魔術士は、貴族連盟によって《霧の滝》と呼ばれる要塞に幽閉され、常に彼らの監視を受けている。キムラック教会教主ラモニロック曰く、《霧の滝》の白魔術士たちはキエサルヒマ大陸脱出の「鍵」となる存在であるという。しかし、もし彼らが本心から貴族連盟の監視を振り切ろうと考えたなら、一介の人間に過ぎない連盟側の監視者がそれを阻止することは事実上不可能であるため[1]、《霧の滝》の白魔術士たちは半ば「自主的に」その場所に留まっているものと考えられる。
『約束の地で』の時代には、はっきりした年代は不明だが(おそらくは聖域での戦いと思われる)白魔術士が壊滅的なダメージを受けたため、キエサルヒマにおける術者の数は激減していると語られている。
白魔術編集
詳細は「白魔術」を参照
主な白魔術士編集
関連項目編集
脚注編集
- ^ 事実、キャリアン・アージカとルシオンの夫妻は《霧の滝》を抜け出し、外界で自由に活動していた。