月の紋章の剣
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月の紋章の剣(つきのもんしょうのけん、古語:バルトアンデルス)は、魔剣、天人種族の遺産。
概要[編集]
1メートルを超す刀身を持つ長剣。刃で斬りつけた物体を原子単位まで分解し、使用者のイメージ通りに再構成する(「変化」させる)能力を有する。変化の対象は生物・無生物を問わない。
この剣は魔術士狩りの時代にドラゴン信仰者に貸し与えるために造られた武器の一つだが、当時バルトアンデルスを創造した天人は、敵対する魔術士の多彩な魔術に対応することを想定し、能力の効果を限定させず、対象物を思いのままに変化させる汎用性を剣に持たせた。しかし、それ故に物質の再構成には極度の精神集中力が必要となり、魔術士に対抗するための武器でありながら、まともに扱えるのは精神制御に長けた魔術士ぐらいという矛盾が生まれてしまった。
一振り目[編集]
5年前(赤光帝42年)、《牙の塔》に保管されていた一振りをアザリーが持ち出し、自らを変化させる実験に使用した。しかし、制御に失敗したアザリーは怪物の姿へと変じてしまい、そのまま失踪。剣はチャイルドマンの手によって彼の知人であるトトカンタのエキントラ・エバーラスティンの邸宅倉庫に秘匿された。
それから5年後、トトカンタでバルトアンデルスを巡るアザリーとチャイルドマンの戦いが勃発。最終的にアザリーはオーフェンの手で元の姿に戻るが、剣はエバーラスティン家に返還された直後にボルカンによって盗み出され、換金目的でアレンハタムの大陸魔術士同盟支部に持ち込まれる。その頃、折悪く同盟支部は「秘宝の番人」を名乗る殺人人形の襲撃を受けており、人形はボルカンから剣を奪うと、その場で粉砕した。
二振り目[編集]
とある天人種族の遺跡から2本目のバルトアンデルスを見つけ出したアザリーは、チャイルドマンの遺産の一つである殺人人形を、かつてのオーフェンの姿へと変え、タフレムで「キリランシェロ事件」を起こした。
その後、キムラックでアザリーが自らを完全な精神体へと変化させることに成功した直後、魔力を使い果たした(と見られる)剣は自己崩壊し、消滅した。
魔術文字[編集]
刻まれた魔術文字の数は1084字。その意味は「我は始めにして終わりなり。そは時の魔物。いつでもほかのなにか……」である。剣の銘である「バルトアンデルス」とは、この文中における「いつでもほかのなにか」という一節を表した古代語である。
アニメ版との相違[編集]
アニメ版では剣単体だと効果が不完全で、切った対象を怪物に変えてしまうのみである。ギガブリウスの宝玉とノマフローゼスのブレスレットがセットになって始めて効果が発揮できるが、並みの術者では魔術の反動に耐え切れず自滅してしまう。