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魔術士狩り

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魔術士狩り(まじゅつしがり)とは、約200年前に天人種族およびその信奉者であるドラゴン信仰者と、人間種族魔術士との間で行われた戦争であり、また、それに端を発するドラゴン信仰者の魔術士に対する激しい弾圧運動までを含めた時代の総称である。

概要[編集]

魔術士の母であったはずの天人種族(ウィールド・ドラゴン=ノルニル)が、突如として魔術士を皆殺しにせんと牙を剥いたことで始まったとされる戦い。人間種族の魔術士の驚異的な成長を妬んだ天人が起こしたとも噂された。戦いは衰退した天人種族が聖域に隠遁し姿を消したことで収束したが、敬愛する天人を失ったことに怒り狂ったドラゴン信仰者は長きに渡って魔術士に対する苛烈な弾圧と迫害を行い、一連の「魔術士狩り」と呼ばれる暗黒時代は1世紀近くにも及ぶこととなった。

背景[編集]

かつてキエサルヒマ大陸天人種族によって統治されるドラゴン種族の世界だった。約300年前、大陸に漂着した人間種族を、天人は暖かく迎え入れた。彼らを自らが治める都市に住まわせ、庇護し、人間種族の繁栄と、戦災によって失った文明の回復・発展に大きく助力した。

約200年前、女神の呪いとバジリコックの毒によって滅亡の危機に瀕していた天人種族は、種族の長であるシスター・イスターシバの提言により、天人種族と人間種族の「混血」による種の延命を図った。しかし、結果は魔術の素養を持つ「半天人半人間」が産まれたに過ぎず、根本的な問題の解決には至らなかった。

このイスターシバの行動は性急すぎると聖域内でも非難を浴び、特に人間種族の存在そのものを危険視していた派閥の台頭により、天人種族はイスターシバ派とそれに反するオーリオウル派に分かれた。それでもイスターシバは人間を天人の後継者とすることに固執し続けたため、後に聖域を追放された。

推移[編集]

発端[編集]

最初の火種となったのは、魔術士たちが次々と不審な死を遂げ始めたことだった。死因は天人種族から受け継がれてしまったバジリコックの毒だったが、それを知らない魔術士の中には、天人が自分たち人間種族の魔術士を暗殺しようとしているのではないかと疑いを抱く者が出始めた。

その後、世界図塔で行われた魔王化実験がケシオン・ヴァンパイアの虐殺事件を招き、人間種族側が天人種族に対する疑念をさらに深める一方、人間の巨人化に対する警戒心からか、元々人間種族との共存に懐疑的だったオーリオウル派の過激派も水面下で魔術士の「排除」を画策し始めた。

戦争の勃発[編集]

両者の一触即発の均衡は破られ、魔術士は天人を大陸から追放しようと攻撃を仕掛けた。天人は魔術文字を刻んだ武具を天人側に与した人間(ドラゴン信仰者)らに供与し、またドラゴン信仰者を素体とした殺人人形を大量に生産し、彼らに魔術士を迎撃させた。天人種族が操る沈黙魔術の力は人間種族の魔術士の音声魔術を圧倒的に凌駕しており、その凄惨な光景はまるで魔術士が天人による「狩り」の獲物となっているように見えたため、後世に「魔術士狩り」として伝えられることとなった[1]

貴族は戦争を終結させるため、聖域と外界を仲介する最接近領領主アルフレド・マインス(後のチャイルドマン・パウダーフィールド)にイスターシバの暗殺を命令した。この暗殺計画そのものは失敗に終わるが、結果的にイスターシバは死亡する。

この戦争は、ある時こつ然と天人種族が姿を消してしまったことで幕を閉じる。甚大な魔力を消費したことでいっそう衰退を窮めた天人種族は、人知れず聖域へと隠遁した。天人は聖域の中で延命の望みを繋ごうと手を尽くしたが、衰弱のためバジリコックの毒に対する抵抗力までも失っており、次々と命を落としていった。そして最後の天人であるイスターシバの死をもって、天人種族は(オーリオウルを除いて)絶滅を喫することになる。

戦後[編集]

戦争の終結は、ドラゴン信仰者たちによる苛烈な魔術士迫害の時代の始まりでもあった。天人無き後もドラゴン信仰者たちは彼女たちの遺志を継ぎ、魔術士への攻撃の手を止めることはなかった。また時期を同じくして、キムラック教会教主ラモニロックが「魔術士の根絶」を宣言したため、魔術士は二つの敵を同時に抱えるという未曾有の危機を耐え忍ばなければならず、これが大陸魔術士同盟結盟のきっかけとなった。

為政者であり庇護者でもあった天人を失った王族貴族たちは、一転して人間種族の独力によるキエサルヒマ大陸の統治を宣誓し、貴族連盟を設立。アレンハタムを捨てて東部へと移り、新たな統治体制を開いた。

考証[編集]

この戦争の裏では、聖域の反イスターシバ派(オーリオウル派)の過激派勢力が暗躍していたとされる。魔術士狩りが勃発したのは、イスターシバとその門弟アルフレド(チャイルドマン・パウダーフィールド)の間に結ばれた盟約の成立直前という時期であり、この戦争そのものが、オーリオウル派がイスターシバの計画を取り潰すために取られた強攻策であったとも考えられている。

脚注[編集]

  1. ^ 一方で、実際に最も多くの犠牲を出したのは天人でも魔術士でもなく、ドラゴン信仰者の人間であったとの見方もある。

関連項目[編集]

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