開拓公社(かいたくこうしゃ)は、未開発地域の開拓事業を取り仕切る公共企業。
概要
貴族連盟(後に貴族共産会)によって管理される半官半民企業で、主に土地の開拓計画の立案と、工程・人材の管理を行う。
開拓の流れ
最初に当たりをつけた未開の土地に調査員を派遣し、その報告から人が居住可能であると判断されると該当地域に街を建設するプランを立てる。計画に上からの許可が下りれば開拓を行う人員を募集し、現地に派遣して作業を開始する。無事に街が完成すれば、それを貴族連盟に買い上げてもらい、計画が完了する。
開拓計画に参加した作業員(開拓民)は、その報酬として開拓した土地の一部を受け取れる場合もある。
公社の再編
本来、開拓公社はキエサルヒマ大陸内地の開拓を行う企業であったが、アーバンラマの外大陸開拓計画(カーロッタ・サルア計画)が新大陸(原大陸)を発見したことに伴い、貴族連盟は公社の機能を大幅に増強し、原大陸の開拓にも進出するようになった。
原大陸開拓の実態
原大陸を無法の地と見なしていた開拓公社は、貴族連盟の目が届かないのをいい事に非合法な手段を多用し、様々な問題を引き起こす事になった。
公社はキエサルヒマ本土で手配する人員を極力減らし、少数の専門家と経営者、開拓資本だけを原大陸に送り込み、現地であぶれ者を安く雇い入れる方針を取った。そのため、資材の盗難や土地絡みの脅しや詐欺といった不法行為が横行し、最悪の場合は人攫いもあったという。また、元キムラック教徒で占められている先発開拓団との了承を得ぬまま魔術士の入植を許すなど、後々にまで残す禍根を生み出した功罪は大きいと云っても過言ではない。
『魔術戦士の師弟』の時代では司法整備も進み、キルスタンウッズ開拓団のような新興の開拓企業が勢力を強めたことで開拓公社は以前までのような威勢を維持することができなくなり、マジク達「遅れてきた開拓団」が渡ってきた頃に比べて悪質な話も少なくなった。
開拓公社の資本によって海を渡った開拓民は公社との契約の際に多額の借金を背負い、その多くは後々返済に苦慮を強いられることになった。中には開拓そのものが頓挫してしまったことで、返済の当てを失い進退窮まった者も出ていた。エドガー・ハウザー大統領は、そういった重債務者に対する返済の支援を政策に入れることを検討しているが、元アーバンラマ資本家派の議員は返済支援に税金が使われることに難色を示しており、遅々として進んでいないのが現状である。