消去

原大陸における魔王術の代表的な使用目的であり、神人種族または危機強度に至ったヴァンパイアに対処するための最終手段である。魔王術による消去は、常世界法則を直接書き換えることで、対象となる存在を事象の根から抹消する。消去の対象者は最初から存在しなかったという結果が過去に遡って置き換えられ、術の執行者を含むあらゆる人間の記憶からも取り除かれる。ただし、術が執行されたという事実と、消去された者の名前だけは術者の記憶に残り、名前を知らない相手を消去した場合でも、術の効果として術者には自動的に対象者の名前（本名）が暴かれる仕組みになっている。

魔王術による消去は完全なものではなく、「消去が執行された」という結果が誰かの記憶に留まっている間に限り継続される、言わば「封印」である。魔王術が執行された後は魔王術記録碑などにその内容を残す決まりになっているが、もし記録が破壊され、その上に執行者自身が死亡してしまっている場合などでは、封印が不安定になり、消去された者が復活してしまうリスクがある。

また消去の副作用として、相手の特徴等を具体的に思い出せなくなるため、ヴァンパイアと戦う時はその都度振り出しに近い時点から戦う事になる。

マジク・リン

• 我が名、イクトラ、それは虚偽。虚ろの名、広がり、偽典の系譜を連ねる。虚偽の名を贄に不正なる取引し、我、騙しの神の殺害を請求する。だが結果は真に残る。記録から削除せよ

ラッツベイン・フィンランディ

• 取り返しなく、我が血に触れる獣を支配する。支配者は収奪を命じ、獣は武器を捨て家畜となれ。我が名、悪夢にだけ囁かれ、生ある時には聞こえず、煩悶の鉄杭だけを残せ。ああ哀れ、剥ぎ取られた地の四つ足。お前にはなにもない。さしあたっては、慈悲がない
• 銀河光芒の雨浴びて、大河にも星が棲み醜鬼踊る。磔の樹より剥がれ落ち、滴涙の列、罪の数続く

オーフェン・フィンラインディ

• 遠く遠く歌の聞こえる。明日の夜の深さ予知し沈む前に翼開け。仮に賜う疵の断固たる痛撃、腐る雨に震える森、鏡に映れ、永遠螺旋の彼方より。望みよ叩け、晶柱の檻奏で

マシュー・ゴレ

• ぶっころぶっころぶっころぶっころぶっころぶっころぶっころぶっころぶっころぶっころぶっころぶっころ死んだりやオラボケくぉのアホゥがァァァ！

マルカジット

• 霧の中へ霧の外へ霧の輪へ霧の渦へ。夢より覚めた鯨の夢、声をなくした鳥の声、失われた者の物語の語り、お前はいない、お前を見た者は誰もいない

• エド・サンクタム
• クレイリー・ベルム