イスターシバの盟約
提供: オーフェンペディア
イスターシバの盟約(イスターシバのめいやく)とは、約200年前に、聖域司祭イスターシバと、彼女の唯一の門弟である青年(後のチャイルドマン・パウダーフィールド)との間に交わされた密約である。
概要[編集]
遠くない未来、キエサルヒマ大陸に滅びをもたらすであろう運命の女神に対し、力で対抗することの適うキエサルヒマ大陸の「後継者」を見つけ出し、その戦士を来るべき時に聖域へと召喚し、女神と決戦するという約定。
経緯[編集]
約300年前、女神ヴェルザンディの降臨によって開かれたキエサルヒマ史上最大の戦争は、天人種族の始祖魔術士オーリオウルの犠牲によって一時の終結を見た。しかし、およそ700年という長きにわたる女神との戦いを経て、疲弊しきった天人を始めとするドラゴン種族たちには、もはやこの先女神との戦いを継続できる余力は残されていなかった。
オーリオウルを失い、事実上天人種族の長となったイスターシバは、キエサルヒマ大陸の未来を自らが生み出した子供たち(人間種族の魔術士)に託すことを決め、その代表として選んだ彼女の唯一の弟子である初代最接近領領主アルフレド・マインス(後のチャイルドマン・パウダーフィールド)に、アイルマンカー結界が破綻を迎える直前の時代へと跳躍させ、女神に対抗できる「大陸の後継者」を見い出させるという計画を立てた。
しかし、聖域とドラゴン種族を見限り、世界の命運の全てを人間種族に預けるというイスターシバの案は性急過ぎると内外から大きな批判を招いた。盟約の締結が実行に移される直前に勃発した魔術士狩りの戦争は、この案に与しない反イスターシバ派の陰謀によって引き起こされたとも言われている。いずれにせよ、盟約は一時の凍結を余儀なくされた。
戦争の末期、イスターシバは人間貴族側の暗殺者として彼女の前に現れたチャイルドマンに、キエサルヒマ大陸が置かれている現実を語り聞かせ、最後に自らの命と引き換えに計画された盟約が実行された。
盟約を結ぶ際、聖域の周囲には精霊魔術による結界を張りめぐらし、契約において定められた資格を持つ者以外の聖域への侵入を禁じた。また、聖域の守護者であるディープ・ドラゴン種族の長アスラリエルもこの盟約に立ち会い、200年間それを遵守した。
盟約の遂行[編集]
魔術士狩りの戦乱の末期、イスターシバはバジリコック砦跡において、自らの命と引き換えにチャイルドマンを百数十年後の未来へと転移させ、盟約は遂行された。