概要
経歴
かつては伝説的な女盗賊として名を馳せ、さらにトトカンタ市を裏から牛耳り、「暗黒街の女王」などと呼ばれていた。しかしある時、同業だったバグアップと突然駆け落ちし、後にマジクを産んで一児の母となると、夫共々盗賊稼業からは足を洗った。
赤光帝30年代中頃、アイリスの支配に反抗するトトカンタの一勢力が、当時フリーの暗殺者として活動していたチャイルドマン・パウダーフィールドを雇い入れ、アイリスの暗殺を依頼した。大陸最強の暗殺技能者と謳われていたチャイルドマンを、アイリスは悠々と迎え撃ち、いとも容易くねじ伏せた。勝ち目が無いことを悟ったチャイルドマンは、アイリスの夫と息子を盾に取ることで辛くも痛み分けに持ち込んだという。
赤光帝42年頃、タフレム南方の山中にある天人種族の遺跡に居座る。《牙の塔》から派遣された遺跡調査部隊を四度に渡って妨害、撃退し、「怪人ゼッド」と命名される。五度目の派遣で訪れたキリランシェロとアザリーを軽くいなし、さらにマリア・フウォン教師をも手玉に取った。なお、この遺跡の調査難度は最高ランクに格上げされた。
その後、アイリスは突如《牙の塔》に姿を現し、チャイルドマン教師に対し宣戦布告。《塔》の誇るチャイルドマン教室のフルメンバーを相手に悪魔の如き立ち回りでやりたい放題に暴れ回るが、最後はチャイルドマン教室の連携作戦の前に敗北する。その後牢に投獄されたが、あっさり脱獄した。
赤光帝48年頃、長らくの隠遁生活に区切りをつけ、山を降りて実家のトトカンタに戻った。
ブラディ・バース
「ブラディ・バース」は、アイリスが女王としてトトカンタに君臨していた時代の呼び名だが、アイリスが受け継いでいると見られるヴァンパイアの血統としての側面も表している。
アイリスの運動能力は人間が最終的に到達できる限界を遥かに凌駕しており、これは人間種族の巨人化(ヴァンパイア症とも呼ばれる)の顕著な兆候であると推測されている。巨人化は神人種族との邂逅によってもたらされる突然変異現象の一端だが、アイリスの場合は身体能力の強化程度に留まる軽度なもので、チャイルドマンは彼女が200年前に封印されたケシオン・ヴァンパイアの末裔としてその力を発揮している可能性を指摘した。もしアイリスが血統によってヴァンパイアの力を発症させていると仮定すれば、その血縁であるマジクにもそれが遺伝している可能性がある。なお、新シリーズではマジクが「ブラディ・バース」の名を受け継いでいる。
技能
人間の枠組みを飛び越えた超常的な戦闘能力は、暗殺技能者として極まっていたチャイルドマンやコルゴンを真っ向から圧倒し、これは前述の通りヴァンパイアの力である可能性がある。その持ち前の運動性能に重力制御の魔術を組み合わせ、空間を最大限に利用した三次元的な戦法を得意とする。
黒魔術
人物
関連人物
- バグアップ - 夫
- マジク・リン - 息子
- ティシティニー・エバーラスティン - 知人
- チャイルドマン・パウダーフィールド - 敵対
声優
- 南央美
- ドラマCD : 魔術士オーフェン しゃべる無謀編7 (2013年)
脚注
- ^ 『これで終わりと思うなよ!(前編)』
- ^ 『リボンと赤いハイヒール』
- ^ 『我が夢に沈め楽園(下)』