概要
伝説の剣客ビードゥー・クリューブスターの一人娘。亡き父の跡を継いでナッシュウォータで競技剣術の道場を営み、自ら師範も務めていた。
経歴
幼少の頃、父ビードゥーと2人でナッシュウォータを訪れ、数年後に剣術道場を開く。14歳の頃、道場の門下生の一人だったエド(=コルゴン)と婚姻関係を結ぶ。しかし、コルゴンはビードゥーの死後まもなく忽然と姿を消し、結婚生活は1年と経たずに破綻を迎える。その後、若き師範としてたった一人で道場を切り盛りする。
コルゴンとの破局から2年後(赤光帝47年)、ナッシュウォータに舞い戻ったコルゴンは、ロッテーシャの道場から分裂・反目していたもう一方の道場に身を置く。コルゴンの目的はビードゥーが形見としてロッテーシャに遺した剣「フリークダイヤモンド」(蟲の紋章の剣)だったが、ロッテーシャはコルゴンの一方的な要求を無視し続けた。
はぐれ旅
同年の秋、道場に足を踏み入れたコルゴンと剣を賭けた決闘を行うも惨敗し、瀕死の重傷を負う。傷をレキの魔術で癒され一命を取り留めたロッテーシャは[1]、怒りに震えながらコルゴンへの復讐を誓うと、オーフェンの旅に同行を申し出る。
アーバンラマでの思いがけない再開を経て、最接近領でみたびコルゴンと対峙。蟲の紋章の剣の使用法を理解したロッテーシャは、その剣を携えてコルゴンに最後の戦いを挑むが、彼から自分の正体が聖域で製造された「人造人間」であり、これまでの人生が全てまやかしであったことを淡々と告げられる。ロッテーシャ自身はこの事実を自ら記憶を封じることで一切「忘れて」おり、突然突きつけられた現実に戦意を失い、茫然自失の状態に陥る。ロッテーシャはコルゴンに聖域へと連れ戻され、命じられるままに第二世界図塔の召喚機を操作する傀儡と化す。
しかし、計画の最終段階に至ってコルゴンに反旗を翻し、施条銃を撃って一矢を報いる。その後、アザリー、アルマゲスト・ベティスリーサらと共にスウェーデンボリーの力の召喚を試み、自身の消滅と引き換えに成功を収める。結果として、ロッテーシャは生まれながらに背負わされた自らの宿命を全うする顛末となった。
人物
ロッテーシャの正体は、聖域の司祭たちがネットワークを駆使することで生み出した人造人間(ゴーストの一種)であり、第二世界図塔という魔王スウェーデンボリーの召喚機を作動させるためだけに命を与えられた人間である。同じくネットワークから生み出された最接近領領主アルマゲスト・ベティスリーサとは同質の存在とも言える。
生を受けて間もなく、ロッテーシャは聖域から脱走を図った。当時まだ幼く力の足りなかったロッテーシャは、脆弱なその身を護らせるため、ドッペル・イクスであったビードゥー・クリューブスターの精神を支配し、外界へ連れ出させた。その後ナッシュウォータを訪れ、ビードゥーと普通の人間の親子としての暮らしを送った。死に瀕したビードゥーからその真相を聞かされたコルゴンは、次に支配を受けるのは自分であると悟ったため、彼女の傍を離れて監視した。
聖域の司祭らはロッテーシャの脱走について、負わされた使命の重圧に耐えきれなかったことが原因と考えていた。しかし一方でアザリーは、ロッテーシャは召喚されたスウェーデンボリーの力を制御できる資質を持った人間を探し出すために外界へ出たのではないかと推測した。事実、ロッテーシャはコルゴンというそれに値する器を発見し、結果的に彼を聖域へと導くことを達成している。
技能
父ビードゥーから叩き込まれた(精神支配によって教えさせた)剣術はオーフェンすらも認める腕前であり、道場の練習生からは「剣の女神」と呼ばれていた。肉体的能力はクリーオウと大差はないが、無意識にネットワークを操作する事で相手の動きを予測する事に長けていた。
一方で、ロッテーシャの剣は競技(スポーツ)の範疇でしかないともオーフェンからも指摘され、彼やエドのような戦闘のプロには太刀打ち出来ないと評された。
関連人物
- ビードゥー・クリューブスター - 父
- エド・クリューブスター - 元夫
- ライアン・スプーン - 門弟
- アルマゲスト・ベティスリーサ - 同質存在
脚注
登場作品
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