概要
「音声魔術の究極形」あるいは「人間という種族が魔術に対して出した最終的な解答」とも言われる。黒魔術が物質世界に作用するのに対し、白魔術は精神世界に作用する。ここで言う「精神」とは、心理や意識といった生物の内面的能力に限らず、時間や空間など物理的に存在しない(関わることができない)事象・概念の総称である。その支配力は、ドラゴン種族が行使する魔術にも匹敵すると言われる。しかし、強力であるが故に必要とするリソース(魔力)も甚大となり、ダミアン・ルーウのような大陸最高位の白魔術士であっても、複数の魔術を同時に扱うような芸当は困難のようである。また物理の力に依ることができないため、生物に物理的な攻撃を行うことも極端に難しくなる。
白魔術を行使できる人間(=白魔術士)は黒魔術に比べると圧倒的に少なく、その修得には突出した天性の才を必要とする。黒魔術と白魔術は同じ音声魔術というカテゴリーに属してはいるものの、それぞれは互いに重なり合わない領域に存在しているため、必要とする才能も全く別種のものとなる。アザリーのように両方の魔術を体得する魔術士は非常に稀有な存在とされる。
白魔術の開祖は、およそ200年前に存在した伝説の魔術士ケシオン・ヴァンパイアがその一人と言われている[1]。また、白魔術は後にスウェーデンボリーによって編み出される魔王術の初歩の初歩の技術とも言われている[1]。
『約束の地で』時点では、詳しい年代は不明だが(おそらくは聖域での戦いと思われる)白魔術士が壊滅的ダメージを受けたため、キエサルヒマにおける使い手は激減しているとの事。
媒体
白魔術も音声魔術の一種であるため黒魔術と同様に音声(呪文)を媒体とするが、必ずしも音声を必要としない場合も存在する。
主な構成
脚注
- ^ a b 『魔術士オーフェンはぐれ旅 約束の地で』