魔術士オーフェンはぐれ旅 | |
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著者 | 秋田禎信 |
イラスト | 草河遊也 |
文庫版 | |
レーベル | 富士見ファンタジア文庫 |
期間 | 1994年5月 - 2003年9月 |
巻数 | 全20巻 |
発行 | 富士見書房 |
新装版 | |
レーベル | TOブックス単行本 |
期間 | 2011年9月 - 2012年6月 |
巻数 | 全10巻 |
発行 | TOブックス |
電子書籍版 | |
期間 | 2011年12月 - 2012年9月 |
巻数 | 全10巻 |
発行 | TOブックス |
『魔術士オーフェンはぐれ旅』(まじゅつしオーフェンはぐれたび)は、秋田禎信のライトノベル『魔術士オーフェン』の長編シリーズ。イラストは草河遊也。
1994年5月から2003年9月にかけて富士見ファンタジア文庫(富士見書房)より全20巻が刊行され、2011年12月から2012年6月にかけてTOブックスより新装版が全10巻で刊行された。
続編となる同名の新シリーズについては、当該記事を参照のこと。
概要編集
『魔術士オーフェン』シリーズの本編にあたる文庫書き下ろしの長編。1994年5月に発売された第1巻『我が呼び声に応えよ獣』に始まり、2003年9月に発売された第20巻『我が聖域に開け扉(下)』をもって完結した。『月刊ドラゴンマガジン』連載の短編シリーズ『魔術士オーフェン・無謀編』と並行して展開され、両編合わせて1000万部以上を売り上げる大ヒットを記録した。
物語の舞台は産業革命後のヨーロッパの風情[1]を漂わせる異世界「キエサルヒマ大陸」。ストーリーは主人公オーフェンとその仲間たちの旅の道程とともに展開し、第1巻から第10巻までを第一部「西部編」、第11巻から第20巻までを第二部「東部編」と呼称する。第一部は全体的に明るくギャグテイストを織り交ぜつつ進行するのに比べ、第二部はシリアスかつハードな展開に比重が置かれている。また、第一部の番外編的エピソードとして、角川mini文庫(角川書店)の『魔術士オーフェンまわり道』シリーズがある。
シリーズ完結後に作者自らが語った裏話[2]によると、『はぐれ旅』の設定はシリーズ完結時点で既に第四部あたりまで構想されていたことが明らかにされ、後に後述の「新シリーズ」として作品化された。また、長らく絶版状態となっていた『はぐれ旅』旧シリーズも『新装版』として再刊行された。
後日談・新シリーズ編集
詳細は「魔術士オーフェンはぐれ旅 (新シリーズ)」を参照
シリーズ完結から5年を経た2008年9月、作者の公式ウェブサイト『モツ鍋の悲願』において、『はぐれ旅』の後日談にあたる書き下ろし長編『あいつがそいつでこいつがそれで』が、2009年4月まで不定期に連載された。連載中に寄せられた大きな反響を受け、当初は予定されていなかった書籍化が急遽決定し、2009年12月、新たに書き下ろされた新作の後日談や、未収録作品などがセット収録された『秋田禎信BOX』が、TOブックスより完全予約限定生産で発売された。
2011年3月、後日談のさらに後のエピソードとなる第四部が、TOブックスより「新シリーズ」として再始動することが発表された。
新装版編集
『魔術士オーフェンはぐれ旅 新装版』(まじゅつしオーフェンはぐれたび しんそうばん)は、2011年9月から2012年6月にかけて、TOブックスより刊行された『はぐれ旅』旧シリーズの新装版。文庫版2冊分を1冊にまとめた全10巻で構成され、判型や装丁は新シリーズの単行本に準拠されている。新たな書き下ろし等の追加は無いが、旧版に収録されたイラストは復元処理を施された原画から完全収録されている。
新装版シリーズの全巻購入特典として、『魔術士オーフェン・無謀編』文庫版に収録された『プレオーフェン』シリーズ(全13話)を1冊にまとめた単行本『魔術士オーフェン・プレ編』の応募者全員サービスキャンペーンが実施された。
電子書籍版編集
詳細は「魔術士オーフェンはぐれ旅 (電子書籍版)」を参照
上記新装版の電子書籍版。2011年12月から2012年9月にかけて刊行され、PC、iOS、Android、SonyReader等の電子ブックリーダーに対応する。なお、電子書籍版では上記『プレ編』のキャンペーンは適用されないことに注意。
ストーリー編集
第一部編集
主人公の青年オーフェンは、キエサルヒマ大陸西部の街トトカンタの裏町を根城にする冴えないモグリの金貸しだが、その実体は大陸黒魔術の最高峰《牙の塔》を出自とする凄腕の黒魔術士である。ある日、そんなオーフェンが抱える顧客の一人、地人のボルカノ・ボルカンが、借金返済のための儲け話を持ってオーフェンの元に現れる。渋々その話に乗ることにしたオーフェンは、トトカンタ有数の名家として知られる「エバーラスティン家」を訪問するが、そこにはかつて彼の人生を大きく変える原因となった尋ね人、義姉アザリーとの運命的な再会が待ち受けていた。
アザリーに別れを告げたオーフェンは、魔術の弟子入りを志願してきた宿屋の息子マジクと、エバラーラスティン家のじゃじゃ馬娘クリーオウを引き連れ、借金を踏み倒して逃亡した地人兄弟を追ってトトカンタを旅立つ。こうして幕を開けたオーフェンの「はぐれ旅」だが、一行は行く先々で厄介な事件に巻き込まれる。そして故郷タフレムで再びアザリーと相まみえたオーフェンは、彼女の導きに誘われるまま大陸北端の街、キムラック教会総本山を目指す。そこで一行は、太古の時代よりキエサルヒマを脅かし続ける「破滅」そのものと直面する。
第二部編集
キムラックで運命の女神を道連れにアイルマンカー結界の外へと消え去ったアザリーの行方を探るオーフェンは、ドラゴン種族の聖域と抗争を繰り広げる「最接近領」なる謎の勢力と接触する。聖域から外界へ送り出される「ドッペル・イクス」と呼ばれる刺客たちとの熾烈な戦いを経て、オーフェンは聖域に関わる者たちを苛む絶望の真相へと迫っていく。
破局へのカウントダウンが刻一刻と進む中、ついに聖域の中枢に集うオーフェンとその家族たち。アザリーに最後の選択を委ねられたオーフェンは、逃れ得ない絶望に対する究極の決断を下す。
登場人物編集
詳細は「魔術士オーフェンはぐれ旅の登場人物」を参照
既刊一覧編集
富士見ファンタジア文庫編集
TOブックス単行本編集
巻 | タイトル | 発売日 | 頁数 | 価格 | ISBN |
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1 | 魔術士オーフェンはぐれ旅 新装版1 | 2011年9月24日 | 509p | 1500円+税 | 978-4-904376-73-7 |
2 | 魔術士オーフェンはぐれ旅 新装版2 | 2011年10月25日 | 535p | 1500円+税 | 978-4-904376-76-8 |
3 | 魔術士オーフェンはぐれ旅 新装版3 | 2011年11月25日 | 585p | 1500円+税 | 978-4-904376-77-5 |
4 | 魔術士オーフェンはぐれ旅 新装版4 | 2011年12月25日 | 495p | 1500円+税 | 978-4-904376-78-2 |
5 | 魔術士オーフェンはぐれ旅 新装版5 | 2012年1月25日 | 599p | 1500円+税 | 978-4-904376-79-9 |
6 | 魔術士オーフェンはぐれ旅 新装版6 | 2012年2月25日 | 529p | 1500円+税 | 978-4-904376-80-5 |
7 | 魔術士オーフェンはぐれ旅 新装版7 | 2012年3月25日 | 437p | 1500円+税 | 978-4-904376-81-2 |
8 | 魔術士オーフェンはぐれ旅 新装版8 | 2012年4月25日 | 495p | 1500円+税 | 978-4-904376-82-9 |
9 | 魔術士オーフェンはぐれ旅 新装版9 | 2012年5月25日 | 527p | 1500円+税 | 978-4-904376-83-6 |
10 | 魔術士オーフェンはぐれ旅 新装版10 | 2012年6月25日 | 583p | 1500円+税 | 978-4-904376-84-3 |
備考編集
- 第1巻『我が呼び声に応えよ獣』は当初は1話完結の物語として執筆されたが、その後間もなくシリーズ化を打診され、それを受けてシリーズの設定や世界観も改めて練り直されたため、1巻とそれ以降で造形が異なる部分もある。
脚注編集
- ^ 当初は「19世紀のイギリスくらいのイメージ」で描かれている。
- ^ 『モツ鍋の悲願』雑記 2008.09.28.より
関連項目編集
- 魔術士オーフェン・無謀編 (短編シリーズ)
- 魔術士オーフェンまわり道 (番外編シリーズ)
- 魔術士オーフェンはぐれ旅 (新シリーズ) (後日談シリーズ)
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