聖域
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聖域(せいいき)とは、約1000年前に女神の脅威から逃れてキエサルヒマ大陸にやってきたドラゴン種族が、対女神の戦闘拠点として建造した要塞施設。ドラゴン信仰者には「偉大なる心臓」(いだいなるしんぞう)とも呼ばれる。
概要
キエサルヒマ大陸の中央部から西部にかけて広がるフェンリルの森の最奥に位置するドラゴン種族の居城。聖域の周囲は精霊魔術による結界で覆われ、さらにディープ・ドラゴン種族が警護にあたっているため、人間は容易に近づくことすらできない。
聖域の本体は森の中心部に広がる湖の底のさらに地下に存在する。湖の湖面がその入り口となっており、沈黙魔術による転移装置が作動している時に湖面に飛び込むことで、聖域内部に転送される仕組みになっている。
内部
内装は天井から床まで全面白一色で統一されている。聖域内の全ての部屋と通路は細かく分離され、転移装置によってランダムに連結されているため、転移の魔術文字と連結の構造を熟知していなければ、まともに移動することすら困難になっている。
聖域の中枢を担っているのは、ドラゴン種族の始祖魔術士たちが集うアイルマンカー玄室と、聖域を統括する機能が集積された第二世界図塔である。
住人と支配者
聖域に隠遁する住人は、主に人間種族とレッド・ドラゴン種族、フェアリー・ドラゴン種族で、彼らは原則的に聖域外に出ることは無い。外部での活動の必要が生じた場合、「ドッペル・イクス」と呼ばれる対外エージェントたちがそれを行う。
かつては「司祭」と呼ばれる天人種族たちが聖域の管理を行っていたが、200年前に天人が絶滅して以降は、聖域に労働力として迎えられた人間種族の末裔(=狭義のドッペル・イクス)たちが天人司祭に成り代わって聖域を機能させていた。
外部との抗争
キムラックでウィールド・ドラゴン種族の始祖魔術士オーリオウルが死亡し、アイルマンカー結界の綻びが聖域の上空に移動すると、アイルマンカー玄室にいる始祖魔術士はかねてより計画していた「結界の縮小」を実行に移し始める。当初は聖域全体までの縮小を検討されていたが、オーリオウルの死によって結界に必要な術者が足りない事を危惧した始祖魔術士は「玄室」までの縮小を決定。これを不服とした聖域の住人は大陸各地に散らばる天人種族の遺産を回収し、結界が築かれてから誰一人入る事が不可能だった玄室への扉をこじ開ける試みを開始する。
この動きを察知した最接近領と《十三使徒》は、それぞれの思惑で聖域への侵攻を開始。三者それぞれが壊滅状態に陥るほどの犠牲を出した末に聖域は壊滅、第二世界図塔もエドによって奪取された。召喚機によって魔王術を得たオーフェンの手でアイルマンカー結界は破壊され、それに合わせてディープ・ドラゴン種族が女神に特攻して全滅。聖域はその歴史を終えた。