ラモニロック
提供: オーフェンペディア
プロフィール | |
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種族 | 人間種族 (男) |
人種 | 人形 |
出身地 | キエサルヒマ大陸 |
誕生年 | 約200年前 |
ラモニロック(本名:セグワ・オリンプス[1])は、キムラック教会の教主。キムラック教の開祖で、人間種族の始祖魔術士を自称する。
概要
200年前にキムラック教会を創始して以来、教会の頂点に君臨し続ける不死の伝道者。その容貌はかつて天人種族が量産した対魔術士生体兵器「殺人人形」(キリング・ドール)と酷似しているが、これはラモニロックが運命の女神と邂逅した際に運命を剥ぎ取られた成れの果ての姿であり、この変化をヒントとして殺人人形が造られた、と本人は語っている。また、ドラゴン種族特有であるはずの緑色の瞳を持っている。ラモニロックはそのような特異な姿を公にさらすことを忌避しており、常にユグドラシル神殿の小聖堂に篭り、両眼を潰された世話役以外の人間は側に近づくことを固く禁じている。
本人曰く、人間種族の始祖魔術士であり、「本物の白魔術」の使い手である。さらに、ネットワークを操る術にも長ける。
キムラック教会の在り方に疑問を抱いていたサルア・ソリュード、メッチェン・アミックらの反乱によって死の教師は壊滅を喫し、さらにクオ・ヴァディス・パテルの暴走が引き起こした詩聖の間での女神の鳴動がユグドラシル神殿を半壊させるという、キムラック教会始まって以来の非常事態に陥るが、ラモニロックは唯一残った死の教師カーロッタ・マウセンを新たな首長に据えることで死の教師を再生し、キムラック教会の維持に努めた。
その後
アイルマンカー結界の崩壊後、キムラック市で起こった「大崩壊」に先じて、カーロッタ以下直近の部下数十名を引き連れて街を脱出。外大陸開拓計画に参加する難民に紛れ込み、新大陸へ逃亡した。
ラモニロックは新大陸に第二のキムラックを築こうと計画していたとされるが、志半ばで死亡し、その地位をカーロッタに奪われたという。
来歴
300年前に起きた女神ヴェルザンディとドラゴン種族の戦争は、オーリオウルが命懸けで女神を結界の外へ押し戻したことで、一時の終結をみた。しかしその100年後、戦痕の残るラグナロク砦の調査に訪れたセグワ・オリンプス(後のラモニロック)は、結界の綻びから突き出した女神の足を発見し、不用意にもこちら側へと引き込んでしまう。図らずも女神との邂逅を果たしたラモニロックは、ドラゴン種族の始祖魔術士と同様に常世界法則の一部に組み込まれ、人間種族の始祖魔術士となったという。
人間種族の始祖魔術士が誕生したことで、天人の血を引く人間の中には魔術を扱える人間、魔術士として覚醒する者が出始めた。ラモニロックは、ドラゴン種族だけでなく人間種族までもが女神のもたらす滅びの対象に含まれるのではないかという危惧を抱き、キムラック教会を創設した。キムラック教会は表向きはキムラック教という女神信仰を掲げる一宗教組織だが、その実体は魔術士の根絶による人間種族の救済を目的とする暗闘勢力である。また、自身が人間種族の始祖魔術士となっていることを知ったラモニロックは、望まずに不死となってしまった己を滅ぼすことのできる術者を探し求めた。
ラモニロックの正体
前述の通りラモニロックは人間種族の始祖魔術士を自称していたが、後日談『キエサルヒマの終端』において、実際にはそういった事実は無かったことが明らかになった。ラモニロックが自身を始祖魔術士と誤認するに至った原因は、暗殺者時代のチャイルドマン・パウダーフィールドがユグドラシル神殿に侵入した際に彼にその誤った事実を告げたことにあるが、後に、スウェーデンボリーの召喚によりその記憶の断片を継承したオーフェンはこれを否定し、当時チャイルドマン自身も天人種族によって歪められた歴史を伝えられ、始祖魔術士セグワ・オリンプスの存在を刷り込まれていたという真相を語った。
オーフェンは、現出した巨人をルーツとする人間種族(=巨人種族)は始祖魔術士という常世界法則に介入するための楔の存在を必要としていなかったことを根拠の一つとして挙げ、ラモニロックは天人に製造(改造)された人形に過ぎないと推察した。これは天人種族の始祖魔術士オーリオウルの死、すなわち沈黙魔術の消滅と共にラモニロックも機能を停止(=死亡)することで証明されるとした。実際に、ラモニロックは新大陸へ渡った後、間もなく死亡したとされている。
偽りの始祖魔術士を用意してまで天人種族が真実を隠そうとした理由は明らかにされていない。仮説としては、人間種族の音声魔術がドラゴン種族(天人)に由来するものではなく、神と同質の存在である巨人の力を根源としている証左を隠蔽しようとしたという可能性が挙げられる。約300年前、人間種族がキエサルヒマ大陸に漂着した当時、天人種族は既に彼らの「発祥」についても理解しており、その危険性を訴える派閥も早期から存在した。ケシオン・ヴァンパイアの事件が、彼女らに危惧を抱かせる決定的な要因になったとも考えられる。これらのことから、巨人化や人化の可能性を人間種族自身に気づかせてはならないという目論みが生まれたのではないかと推測できる。