ケシオン・ヴァンパイア
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プロフィール | |
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種族 | 人間種族 (男) |
人種 |
貴族 / 魔術士 ヴァンパイア |
誕生年 | 約200年前 |
ケシオン・ヴァンパイア(本名:ケシオン・アレイクム)は、約200年前に存在したキエサルヒマ大陸の魔術士、貴族、ヴァンパイア。異名は「弓聖」、「魔獣」など。
概要[編集]
太古の昔、魔剣オーロラサークルを携えてドラゴン種族を無差別に虐殺し、キエサルヒマ大陸全土を恐怖に陥れたと伝えられる未曾有の殺人鬼。人間でありながらドラゴン種族をも圧倒したという人知を超えた力を持ち、後世には彼を指して女神によって放たれた魔獣と囁く者もいる。その最期は、デミトロスの魔剣「世界樹の紋章の剣」に刺し貫かれ、討滅されたとされている。また「ドラゴンスレイヤー一族」と仇名されたケシオンの血族も、そのことごとくが処刑されたという。
キエサルヒマ史上最悪の大罪人という悪名を負いながらも、魔術士の歴史においては超一級の一人に数えられる伝説の魔術士であり、白魔術の開祖の一人とも言われている。
来歴[編集]
ケシオン・アレイクムは、人類の歴史上初めて巨人化の発症が認められた最古のヴァンパイアである。貴族の家系に生まれ、魔術士として育ったケシオンは、何らかの経緯を経て、聖域の第二世界図塔で行われた人間を媒体とした魔王スウェーデンボリーの召喚(通称「魔王化」)実験の被験者に選ばれた。しかし実験は失敗し、結果としてケシオンは恐るべき魔物へと変貌してしまった。
この実験では、天人種族の本来の目的であったスウェーデンボリーの召喚は果たされなかったものの、ケシオン自身はスウェーデンボリーとの邂逅を遂げており、スウェーデンボリーもまた彼を通してキエサルヒマ大陸(あるいは魔術士として進化していた巨人種族)の存在を初めて認識した。神人との接触により巨人化を発症し怪物と化したケシオンは、己を実験台とした天人を恨み、彼女らへの復讐を願う。すると、それに同調したスウェーデンボリーは、ケシオンに望みを遂げさせるための力として「鋏」(はさみ)と称する剣を与えた。この魔剣はスウェーデンボリーの力の一端を物質化した、言わば形ある魔王術であり、後に「天世界の門」(オーロラサークル)と名付けられた。
ケシオンは図らずも得たヴァンパイアの力と魔剣オーロラサークルを操り、衝動のままに無差別の殺戮に興じた。ドラゴン種族の心臓部である聖域を破壊し、一時はキエサルヒマ大陸全土を蹂躙したとも言われている。追い詰められた天人種族はその力の全てを結集し、無限に増大し続ける巨人化のエネルギーを別の生命力へと変換するという大魔術「世界樹の紋章の剣」を完成させ、来たるデミトロスとの決戦に敗れたケシオンは、その姿を永遠の森へと変化させられたという。
ドラゴン種族はこの一連の事件を歴史の闇へと葬ったため、ケシオン・ヴァンパイアに関する記録は後世には一切残されなかった。現在まで語り継がれているケシオン・ヴァンパイアとその魔剣にまつわる伝承は、当時ドラゴン種族と同様に魔獣の恐怖に怯えていた地人種族の言い伝えによるものである。
ブラディ・バース[編集]
キエサルヒマを蹂躙しドラゴン種族さえも破滅への一歩手前まで追い詰めたケシオンは「ブラディ・バース」と呼ばれ、その異名はヴァンパイアの代名詞ともなった。後に、ケシオンの子孫にもヴァンパイア化が生じるようになったと思われ、彼らも同様にブラディ・バースと呼ばれるようになった。そのためケシオンの一族は皆殺しの憂き目にあい、わずかな生き残りは世間に紛れて迫害から逃れた。アイリス・リンはその生き残ったケシオンの末裔とされ、息子のマジクにもヴァンパイア化の可能性を秘めている。
詳細は「ブラディ・バース」を参照
末裔[編集]
本編開始からおよそ1、2年ほど前、ケシオンと名乗る男が貴族カリエ・アドグルの元から魔剣オーロラサークルを奪うという事件が起こった。長い白髪、淡いグレーの瞳と、人間であった頃のケシオン・ヴァンパイアの容姿を受け継いだその男はキエサルヒマから脱出すべく、アイルマンカー結界を破るために計画を推し進めようとしていた。しかし、実際はケシオン本人ではなく、彼の力と記憶を受け継いだだけの子孫(あるいはネットワークの暴走で発生した分体?)に過ぎなかった。
結局、計画は事態を察知した《岬の楼閣》が送り込んだキース・ロイヤルを始めとする刺客たちに阻止され、配下ともども消滅させられた。
備考[編集]
ヴァンパイア化したケシオンがどういう姿をしていたかは定かではないが、一説では大きな翼を持った一本足のドラゴン(ウロボロス)になったともいわれている。年代的に当事者であったアルフレド・マインス(チャイルドマン・パウダーフィールド)は当然この姿を目撃していたはずであり、ドラゴン化した彼とオーロラサークルをモチーフにドラゴンの紋章をデザインしたと思われる。