「巨人化」の版間の差分
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2014年7月21日 (月) 09:58時点における版
巨人化（きょじんか）またはヴァンパイア化（ヴァンパイアライズ）とは、人間種族が潜在的に秘める変異現象の一つで、人体の強化と増殖、変異が無尽蔵に発生する現象である。ヴァンパイア症（ヴァンパイアしょう）や、精神化と対になる現象として肉体化（にくたいか）とも呼称される。
概要
巨人種族への後天的な先祖返りとも呼べる現象で、主に神人種族の影響を受けることが原因となって引き起こされる。アイルマンカー結界が神人の侵入を阻んでいたキエサルヒマ大陸ではほとんど例が無かったが、原大陸での開拓団と神人種族の接触が引き金となり、カーロッタ派を中心とする反魔術士派開拓民（革命闘士）の間で多発するようになった。
巨人化を発症した人間はヴァンパイアと呼ばれ、生物的な枠組みを超越した能力を覚醒させる。巨人化には段階的な強度が見られ、初期には身体機能が強化される程度の軽微な症状の発露に留まるものの、時間の経過に伴って症状が進行し強度を増すと、特異な能力が発現したり、肉体の形質にも変異が現れ始め、同時に理性や知性、社会性といった人間の内面的能力が急激に低下していく。さらに「危機強度」や「危険強度」と呼ばれる末期状態に至ると、人としての原型を失った異形の姿へと成り果てるという末路を迎える。一度でもこの危機強度に及んでしまうと巨人化の進行に歯止めをかける手段は無くなり、魔王術による最終措置が取られることになる。
スウェーデンボリーの言葉によれば、巨人化はその後に訪れる本当の変化のほんの始まりに過ぎないとされる。巨人化の原理は肉体に質量を引き付け増大させることであるが、この現象には限界や終点が存在せず、末期状態に陥ったヴァンパイアがさらに巨人化を進行させ続けると、最終的には世界の全要素を引き寄せる特異点と化す「人化」へと通じると考えられている。人化とはすなわち世界の終焉を意味し、オーフェン率いる戦術騎士団はこれを未然に防ぐため、その前兆である巨人化に対処することを目的の一つとしている。
人間種族は現出した巨人（＝巨人種族）というルーツを持つことから、巨人化は人間が本来持っている可能性を正しく推し進めた（あるいは回帰した）結果と考える向きもある。カーロッタ派のレジスタンス（革命闘士）はこれを根拠として、巨人化を妨げようとするオーフェンら戦術騎士団に対して強い反抗を行っている。
原因
神人種族との接触
神人種族は人間を巨人化させる能力を備えており、ヴァンパイア化させた人間を自らの眷属として従えるとされる。末期に至り理性を完全に失ったヴァンパイアは何者の指示も受け入れない衝動の虜となるが、唯一、主たる神人に対する忠誠だけは失われないと言われている。また、神人は巨人化（または精神化）によって上位存在へと変じた人間を体内に取り込むことで自らを強大化するという特性を持つため、自分自身への供物として人間を巨人化させることもある。ニューサイトを襲撃した神人デグラジウスは、多数の人間を体内に取り込み続けたという。
信心証明薬
神人の体組織の砕片から生成された「信心証明薬」と呼ばれる物質を経口摂取することで、一時的ではあるが巨人化と同等の現象を起こすことができる。原大陸中に自らの肉体をばら撒いたデグラジウスの破片がその原料であるが、デグラジウスが封印されて久しい現在では、信心証明薬も希少な品となっている。
種主
ごく稀にだが、ヴァンパイア自身にも他者の巨人化を誘発する力を生じる例があり、「種主」と呼ばれている。種主能力を持ったヴァンパイアは他の方法に比べより容易にヴァンパイアを増殖させることができるため、革命組織に重用されている。反面、それ故に戦術騎士団の最優先処理目標にもなっているため、その居場所は堅く隠蔽されている。
その他
その他、巨人化には感染するという迷信や、遺伝するという迷信と言い切れない程度の可能性も存在している（「アイリス・リン」の項を参照）。
変異の例
巨人化がもたらす変異や能力の特徴・様相には多種多様な個人差があり、各人がどのような変化を辿るかは選択も予測もできない。ただし、肉体の強靭化と理性の喪失が一様に起こることはどのヴァンパイアにも共通していることが判っている。覚醒した能力を自分の意思で制御できる個体もいるが、理性のタガが外れるまで強度を増せば、いずれ暴走をきたすことは自明である。稀に特殊な能力が身につくこともある。
初期段階
- 筋力・心肺機能・神経系などの強化
中期〜末期
- 巨大化 - 手足の伸長、骨格の変形、細胞肥大
- 硬化 - 皮膚や体毛が硬質化する
- 軟体化 - 細胞がゲル状化する
- 獣化 - 身体の各部に獣や猛禽、爬虫、魚類などの特徴を生ずる
- 透明化
クリーチャー化
かつて天人種族は人為的な方法によって巨人化を発現させ、その力を制御しようと試みる研究を行なっており、後にその研究を引き継いだキエフ・フォノゴロスとリベレーターによってクリーチャー化の技術へと発展した。無限に強度が進行し制御不能に陥るヴァンパイア化とは違い、クリーチャー化は能力の完全な制御が可能であることを謳っている。
詳細は「クリーチャー」を参照
