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マジク・リン

提供: オーフェンペディア

2014年12月27日 (土) 12:09時点におけるAnnonymous (トーク)による版

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プロフィール
種族 人間種族 (男)
人種 黒魔術士
出身地 トトカンタ市
誕生年 赤光帝33年
年齢 9歳 - プレ編
14歳 - はぐれ旅
37-38歳頃 - 新シリーズ
血液型 AB型[1]
身長 159cm[1][2]
体重 51kg[1][2]
声優 南央美 / 鈴木千尋

マジク・リンは、キエサルヒマ大陸原大陸黒魔術士魔術戦士オーフェンイザベラの弟子を経て、新シリーズではスウェーデンボリー魔術学校の教師、戦術騎士団の団員、ラポワント市市王サルア・ソリュードの顧問。

通称「魔王の弟子」、「ブラディ・バース」。

概要

金色の髪に翠色(グリーン)の双眸、中性的な顔立ちの美少年。まだ声変わりもしていない為、時折女性に間違えられる事も。オーフェントトカンタに滞在していた頃、下宿として利用していた裏町の宿屋「バグアップズ・イン」の一人息子。

オーフェンがトトカンタを発つ際、彼に魔術の弟子入りを志願し、見習いの魔術士として約半年間に渡る「はぐれ旅」に同道。成長と挫折を繰り返しながら、理想の魔術士を目指す道を歩む。

経歴

元盗賊の父バグアップと母アイリス・リンの間に生まれる。高い魔術の素養は母親から受け継いでいる。下町の普通学校(トトカンタ公立第十四学校)に通いながら実家の宿の仕事を手伝っていたが、早く一人前になって独り立ちしたいという強い願望を持っていた。

オーフェンがトトカンタに現れてからというもの、宿代を滞納し居候も同然に寄生するオーフェンと、その周りに集まる変人たちに引き起こされるはた迷惑な騒動に半ば無理やり巻き込まれることも多く、苦労が絶えなかった。

学校での交友関係は九分九厘が変人かいじめっこというあまり良好とは言い難い様子だが、顔や人当たりがよかったため年上受けが良く「上級生殺しのマジク」と呼ばれるほど先輩女子には人気があった。学年生がないクラスだった為、三歳年上のクリーオウとも同じクラスで入部していたサークル(戦争脅威力研究クラブ(通称「戦争クラブ」))も同じ。下町の学校の金髪同士という共通点から仲良くなり、幼少の頃(少なくともマジクが9歳より前の年)から現在までクリーオウには散々こき使われたりいじめられていたようだが、お互いに一番付き合いが長く姉弟の様な間柄である。

はぐれ旅

バルトアンデルスの剣を巡る騒動の幕引き後、トトカンタを出立するオーフェンに魔術の弟子入りを志願し、友人のクリーオウと共に半ば強引にオーフェンの旅に同行。オーフェン(とクリーオウ)から受けるひどくぞんざいな扱いに釈然としない思いを抱きながらも、オーフェンを「お師様」と呼び付き従う。

旅の合間に指導を受ける魔術の制御法を驚異的なスピードで修得していき、かつては《牙の塔》で無二の天才と名を馳せたオーフェンすらも舌を巻く天性の才気を発揮。アレンハタム殺人人形や、《牙の塔》の暗殺技能者スエインとの戦いの中で、極めて強大な魔力を秘めていることも明らかになる。その一方で、本来熟達した魔術士が何年も経験を積み身につける技術を素人同然のマジクが見よう見真似でできてしまう、というアンバランスさは諸刃の剣で、普通の少年にすぎなかったマジクは手に余る大きすぎる力に物語の始終振り回される事となる。

第一部後半では師匠の役に立ちたいという気持ちが承認欲求に繋がるも、努力や苦労を労うアクションを余裕のなかったオーフェンは一切しなかった為、満たされない反動からか次第に増長した態度を見せ始めるようになる。いつまでも自分を半人前扱いするオーフェンに苛立ちを募らせ、キムラックでは魔術を使えなくったオーフェンに対し「自分に嫉妬している」と反骨心をむきだしにする一幕もあったが、サルア・ソリュードに己の未熟さを諭され、再びオーフェンに従うようになる。[3]

旅が東部に入ると、聖域から放たれる刺客「ドッペル・イクス」との戦いに否応なく巻き込まれ、自身の最大威力を投じてもなお歯が立たない脅威に次々と直面する。地道な訓練の成果で魔術の制御力は飛躍的に向上したものの、いざという場面では常に無力を晒す自らの不甲斐なさに煩悶し、すっかり自信を喪失してしまう。

物語の終盤、共に学ぶ仲間のいない視野の狭さから魔術士=オーフェンが全てと思い込んでしまい、オーフェンが説く魔術士のあり方と、自分の目標とする理想の魔術士像(=オーフェン)との乖離に苦悩と葛藤を深めたマジクは、最接近領領主アルマゲスト・ベティスリーサの甘言をきっかけに、約半年間師事したオーフェンの元から「卒業」することを決意。オーフェンの後を追うのではなく、自らの意思で聖域へ向かうことを決める。

聖域への道すがら、王都からやって来た《十三使徒》の魔術士イザベラと知り合う。待ち受ける戦いに備えて自分に足りない覚悟を補うため、付け焼刃と自覚しつつも彼女に戦いの教えを請う。聖域ではイザベラ直伝の「切り札」によって、暴走したクリーオウを止めるという起死回生の働きを果たした。

その後

聖域の事件後、《牙の塔》に戻ったイザベラの正式な生徒となる。しかし、かつてマジクがオーフェンに師事していたことは巷では公然の噂になっており、巷では「魔王の弟子」と囁かれた。

負傷のため後方支援に回ったイザベラに随伴し、アレンハタム近辺で魔術士の召集任務に就く。

クリーオウの旅立ちと前後して、魔術士同盟と貴族連盟の対立が激化の兆しを見せ始めると、故郷の安全を案じたマジクはイザベラと共にトトカンタに戻る。程なくして勃発したキエサルヒマ内戦の折には、トトカンタ防衛戦においてハーティアの指揮の下、街に押し寄せる騎士隊を相手に「悪魔的な奮闘」を見せたが、後ろ盾のなかった彼は少年兵として利用されるだけ利用され、蔑称として母の呼び名であった「ブラディ・バース」、「貴族殺し」の悪名を背負う。多くは語られていないがその後マジクはキエサルヒマの人間に失望し海を渡った。

原大陸開拓時代

17〜18歳の頃、開拓公社が立ち上げた新たな開拓計画に参加。「遅れてきた開拓団」として原大陸に渡り、オーフェンとクリーオウの家を訪ねる。同じ頃に誕生したオーフェンの第一子ラッツベインは、後にマジクの弟子となった。

オーフェン一家が住むローグタウンに自らも住居を持ち、開拓作業とカーロッタ派との戦いに従事。ヴァンパイア神人種族の脅威に対抗するため、オーフェン、エド・サンクタムと共に戦術騎士団の基礎を作る。この『第三部』では、マジクはサファイア・エラガンなるカーロッタ派の女性神人信仰者と邂逅し、恋に落ちるというサイドストーリーもあるとか[4]

20代半ばの頃、オーフェンが開校したスウェーデンボリー魔術学校に教師として赴任。

30代に差し掛かる頃には、原大陸では頂点に位する術者の一人となっており、黒魔術の扱いでは右に出る者はおらず、魔王術についてもオーフェンに匹敵する精度で会得しており、また故郷キエサルヒマにおいても、その名は伝説級の魔術士として広く知れ渡っている。しかし、その力を制限・利用しようとする議会の目を誤魔化すために、公的には魔術学校の一教員としての立場を維持し、騎士団においては正式な指揮系統には組み込まれずに「予備役」として末席に名を連ねる程度に留められている。騎士団の手に余るほどの強力なヴァンパイアの潜伏が発覚し、かつ「オーフェンが直に対処できない」あるいは「そのヴァンパイアが社会的に高い地位にある」ケースなどでは、密命を下されたマジクが秘密裏に処分している。そのため、魔王術による「消去」の執行はオーフェンに次いで多い。この密命は常に不定期であり、授業中に抜け出す事も多く、その都度弁明会議に呼び出されている。

騎士団内では「ブラディ・バース」と呼ばれ、作戦上のコードネームにもなっている。オーフェンが議会からの弾劾等の理由で直に動けない場合は臨時の指揮官となり、オーフェンが持つ神人対抗措置執行判定の優先票も一時的に継承される取り決めとなっている。

ラッツベイン視点では普段のマジクは腑抜けた昼行灯のような生活を送り、色恋沙汰とも無縁の独り身でオーフェン家の居候に思えるほど入り浸っているとの事。ラッツベインが変に気を使ってお見合い相手を用意してくるが、九分九厘が変人なためうまくいったためしはない。雰囲気はショボい、枯れている哀れ、など散々な評価を下されているが、ルックスそのものに感しては年の割に悪くないとのこと。

新シリーズ

37歳〜38歳。ラッツベインエッジが魔術戦士として騎士団に正式に配属される。行方をくらましたカーロッタ・マウセンの足取りを探るべく、元側近のはぐれ闘士シマス・ヴァンパイア捕縛の任に就き、その指揮を執る。

復活したシマスによる騎士団壊滅事件の後、議会に拘束を受けたオーフェンの後任として騎士団の最高司令官となり、神人対抗措置執行判定の優先票も譲渡される。ラッツベインとエッジを自身の直属とし、シマス・ヴァンパイアの追討を開始する。

その最中、カーロッタが潜伏しているキャンプ基地を発見。カーロッタと面会し、一連の事件の関与と目的を確認後、魔術学校へ撤退する。代償によって魔術が一時使用不能になったため内勤に専念し、コンスタンス・マギー率いる派遣警察隊と交渉。コンスタンス達の監視を受ける見返りに騎士団の全権と避難民の保障、反魔術士団体への監視を約束させた。

ラポワント市カーロッタ派との全面対決が勃発し、騎士団が戦力に組み込まれると顧問としてサルア市王の側近となった。

人物

素直で人の好い性格が災いして、周囲から理不尽な扱いを受ける事もしばしば。苦労するわりに評価が得られなったりと、損な役回りが多い。

大人しそうな外見のわりに打たれ強く、土壇場になると意外に肝が据わっているが、いわれなき扱いや暴力を受けても相手が悪人ではない場合は、気の優しさが悪い方向に出てしまうのと、上手くかわせる器用さを持ち合わせていないため、大抵無抵抗のままボコボコにされている。

小さな子どもやクリーオウのような気の強い性格の女性には特に振り回されやすい。が、当のマジク本人も何だかんだと言いながら面倒をみてしまう傾向がある。

クリーオウとの関係は幼なじみとかクラスメートとか言う以前に「姉と弟」そのものであり、オーフェンアザリーレティシャ姉妹の関係に似ている。そのため、フィンランディ三姉妹は長い事マジクを叔父だと思い込んでいたようで、事実を知った現在でも身内と変わらぬ扱いを受けている。

金髪碧眼という貴族に多く見られる特徴を持つが、貴族の血が流れているという根拠は無い。ただしヴァンパイアの血を引く可能性を持つという事から、かつては貴族であったケシオン・ヴァンパイアの末裔という事を暗示している可能性はある。

技能

通常は数年以上の訓練が必要とされている魔術の制御をわずか数週間で会得し、さらにチャイルドマン教室の最秘奥である擬似空間転移を見よう見まねで再現するほどの天才肌である。本来一人前の魔術士になるには10年以上かかるところをマジクはわずか半年でマスターしてしまった。弟子入り当初からその潜在能力の高さはオーフェンをも凌駕していたが、その反面、膨大な魔力をセーブすることに無頓着で、魔術を行使する際には常に出力を全開にしてしまう悪癖を持ち、オーフェンには「力を持つことの恐怖を理解していない」と指摘される。

初めの頃は魔術が暴発あるいは不発することもしばしばあったが、『第二部』に至るとオーフェンをして「完璧な制御」と言わしめるまでに魔術をものにする。しかし、魔術士の憂鬱という壁にぶつかったことで逆境に極端に弱くなり、正念場で本来の力を発揮できなくなってしまった。その後、イザベラの元で修行し直し、トトカンタ防衛戦で活躍するまでに至った。

キエサルヒマと原大陸での実戦と修行を重ね、熟年に至る『第四部』の時代には魔術士の頂点とも言える高みへと上りつめる。複数の魔術効果を一つの呪文と構成によって連続的に発生させる「変換鎖状構成」や、移動距離が飛躍的に伸び、遮蔽物さえすり抜けることができる高次元の擬似空間転移など、マジク以外の人間には再現不可能な超高難度のレベルの魔術を自在に操り、殆ど魔法と呼べる代物の魔王術を誰よりも巧みに使いこなすことができる原大陸トップクラスの実力を有し、同僚のシスタからは「とても人間とは思えず、名前で呼ぶのも抵抗があるくらい」と評されている。

黒魔術

魔王術

契約触媒は黒魔術。魔王術を使うと数日間は魔術を使えなくなる[5]

備考

  • 元々マジクはオーフェンのプロトタイプとなる話の主人公として作られたキャラクター。その短編での設定では17歳で、キエサルヒマとは別の大陸に住むオーフェンを訪ねて旅をするという内容。(現段階で分かる第三部の設定と同じ。詳細は3YA設定)未発表のその作品はドラゴンマガジン編集部内のどこかに眠っているとの事。[6]
  • 名前の由来について、Magic(魔法)のもじりや、某台所用洗剤の商品名など諸説あったが、それらは公式に否定された[7]。正解は「単純な思いつき」ということらしい。
  • 碧色の瞳や超人的な潜在能力の高さから、当時読者の間で「実はドラゴン種族ではないか」という噂も流れたが、一応は人間である。しかしアイリス・リンの血縁者の為、ヴァンパイアの血が混ざっている可能性はある。
  • アニメ版ではオーフェンのことを「お師様」でなく「お師匠様」と呼ぶ。これは「オシサマ」という音だけではアニメ初見者に意味が伝わりにくいという配慮によるもの。なお、ゲーム版では台詞と共に文章も表示されるためか「お師様」と呼んでいる。
  • 『第四部』時点でマジクの名は、キエサルヒマでは伝説といっていいほど有名になっている。そこまでの人材が《塔》からではなく市井から出た事をフォルテから気にされていた。一方、マジクの第二の師であるイザベラ教師は「馬鹿げた才能の塊」と評価する一方で、「単なる才能の化け物でしかない、ただの例外」と言ってのけ、必要以上に気にするフォルテを「アホ」と切り捨てた[8]

家族

関連人物

声優

脚注

  1. ^ a b c エンサイクロペディア魔術士オーフェン
  2. ^ a b データは14歳時のもの
  3. ^ 元々一般人だったマジクは魔術士に関して疎かったのと、魔術を共に学ぶ仲間もいなかったため視野が狭く、オーフェン=魔術士の全てと認識するようになっていった。それに加え、マジク自身の魔術の成長速度が異常過ぎた為、『熟練者にしか使えない高度な術を扱える超初心者』という本来成立しない危うい状態になってしまっていた為、通常の魔術士なら問題のなかった師弟関係も沢山のフォローが必要な状態になっていたが、タイミングが悪くオーフェンは弟子に向き合う余裕がまるでなかった。このズレから生じた苦悩は大きく、第二部最終巻付近までマジクを苦しめた。
  4. ^ モツ鍋の悲願』 > 仕事 >『秋田禎信BOX』
  5. ^ 魔王術の代償か戦闘のショックかは判別つかないが、時々トイレで吐いているところをエッジに目撃されている。
  6. ^ 『ザ ベスト オブ オーフェン』インタビュー記事より
  7. ^ モツ鍋の悲願』 > 雑記(2008.10.12)
  8. ^ 出会った当時、マジクは魔術士の憂鬱という壁にぶち当たり、オーフェンという大陸屈指の魔術士を師に持つ事に苦悩していた時期であったため、そういった部分も見てきた彼女としてはフォルテからそう見られているのは複雑な気分ではないか思われる。

登場作品

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