プロフィール | |
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種族 | 人間種族 (男) |
人種 | 黒魔術士 |
出身地 | アーバンラマ市 |
誕生年 | 赤光帝24年 |
年齢 |
18歳 - プレ編 23歳 - はぐれ旅 46歳頃 - 新シリーズ |
声優 | 松山鷹志 |
コルゴン、エド・サンクタム(フルネーム:ユイス・エルス・イト・エグム・エド・コルゴン・サンクタム)は、キエサルヒマ大陸、原大陸の黒魔術士、暗殺技能者、魔術戦士。《牙の塔》チャイルドマン教室出身。最接近領・貴族連盟の殺し屋を経て、新シリーズでは戦術騎士団の隊長。フィンランディ商会の社員。
異名は「迷惑来訪者」(ナイトノッカー)。
概要編集
黒ずくめの服装に背中まで伸ばした長い黒髪、端正な顔立ちの唇に刀傷を持つ、長身で寡黙な男。《牙の塔》出身でオーフェンの兄弟子にあたり、オーフェンと同じく師のチャイルドマン・パウダーフィールドから彼の持つ戦闘術と暗殺術の全てを受け継いだ暗殺技能者である。
ドラゴン種族の聖域と抗争を行う勢力「最接近領」に属する傭兵として領主アルマゲスト・ベティスリーサに助力し、聖域から送り込まれる対外エージェント「ドッペル・イクス」を監視し、時には接触・殲滅も行なっていた。
経歴編集
アーバンラマの南部出身。時期や経緯は不明だが、最接近領領主アルマゲスト・ベティスリーサの思想に共感し、「ユイス」を名乗って彼の下で働くようになる。
13歳の頃には既に「コルゴン」として《牙の塔》チャイルドマン教室に在籍。世代はオーフェンの一つ上で、コミクロンと同期。学生生活と平行して最接近領の任務にもあたっていたため、普段は《塔》外に出向いていることが多く、クラスメイトには「放浪癖がある」と認識されていた。稀に《塔》に戻っている時も教室や寮に姿を見せることはほとんど無く、もっぱら屋根裏部屋に引っ込んで本を読んでいた。ダミアン・ルーウ曰く、コルゴンを《塔》に送り込み、チャイルドマンの技術を学ばせたのは、領主の指示によるものであったという。なお後日談『キエサルヒマの終端』では、この名前は《牙の塔》銃器製造計画の漏洩の任務のためのものであったと述べられている。
18歳の頃、ナッシュウォータの剣術教練所に「エド」を名乗って現れ、道場師範ビードゥー・クリューブスターに師事する。その目的はドッペル・イクスの疑いがかけられていたビードゥーの監視だったが、任務に就いて2年が経つ頃、成り行きから当時14歳だったビードゥーの娘ロッテーシャ・クリューブスターと婚姻を結ぶ。
結婚から1年後、死の病に伏したビードゥーは今際の際にコルゴンを呼び出し、自身とロッテーシャが聖域の出身であり、何者かの精神支配を受けて偽りの親子を演じていたことを打ち明ける。間もなくビードゥーが没すると、コルゴンは次の支配の標的が自分に移ることを恐れ、ロッテーシャの前から姿を隠す。その後も陰からロッテーシャに探りを入れ続けるが、結局その正体を掴みあぐね、当面はビードゥーが聖域から持ちだした魔剣フリークダイヤモンド(蟲の紋章の剣)に疑いを向けることにした。
ビードゥーの死から2年が経過した23歳の頃、再びロッテーシャの前に姿を現したコルゴンは、彼女にフリークダイヤモンドを渡すよう要求する。しかし、2年前の破局以来、コルゴンに憎悪を燃やし続けるロッテーシャはこれを拒否する。この時、既にロッテーシャとフリークダイヤモンドにドッペル・イクスの監視が付いていることを察したコルゴンは、ロッテーシャの剣術道場と反目するもうひとつの道場に身を置き、剣を奪う機会を伺った。
はぐれ旅編集
ナッシュウォータにオーフェンが滞在していることを知ったコルゴンは、その情報をドッペル・イクス側(ヘルパート)に流すことで監視の目を逸らす策に出る。好機を得てロッテーシャの道場に踏み込み、彼女に最後通牒を言い渡すが、ロッテーシャはあくまでもコルゴンの強迫に従わず、決闘を選択する。コルゴンは立ち塞がるロッテーシャを容赦なく斬り捨て、フリークダイヤモンドを奪おうとするが、既に剣は門下生として道場に潜伏していたドッペル・イクス、ライアン・スプーンによって奪取された後で、コルゴンはそれを追うようにしてナッシュウォータを去る。ロッテーシャは致命傷を受けたものの、レキの魔術のおかげで一命を取り留め(後のコルゴンの述懐によれば、この時コルゴンはロッテーシャの精神支配を受けており、ロッテーシャは自身の「正体」をコルゴンに理解させるため、あえて自分を「殺させる」よう誘導したとしている[1])、コルゴンに復讐を誓った。
アーバンラマにおいて、レキとの決戦に備えて街を呑み込む程の樹海と化したライアンと遭遇し、交戦する。殺到する樹海の波に危うく押し潰されそうになるも、運良く手にした転移の石の力が発動したことで難を逃れ、直後にオーフェンと5年ぶりの再開を果たす。その後、ライアンとヘルパートが死亡したことでドッペル・イクス遊撃の任務が解除されると、足早に街を離れようとするが、コルゴンの監視についていた新たなドッペル・イクス、ジャック・フリズビーに不意を突かれ、聖域へ拉致されてしまう。
自力で聖域の監禁を脱し、第二世界図塔の存在を知ったコルゴンは、同時にロッテーシャの正体をも理解する。コルゴンはロッテーシャと第二世界図塔を使った魔王スウェーデンボリーの召喚による自身の「魔王化」を画策し、聖域を支配する司祭と取り引きを行い、最接近領から離反し聖域に与するように振る舞いながら、召喚機の起動に必要な条件を揃えるために独自に暗躍を開始する。
最接近領で凄惨な戦いが繰り広げられた翌日、領内に侵入したコルゴンは、かつての同僚ウィノナを射殺し、領主に悟られぬようロッテーシャを誘い出す。ロッテーシャに聖域で知った真実を一方的に突き付け、抵抗する気力さえも失った彼女を強制的に聖域へと連行した。
聖域に向かうオーフェンと《十三使徒》が司祭に対する陽動となっている隙に、アザリーに導かれて聖域に入っていたレティシャ、ハーティアらと一時的な協力関係を結び、第二世界図塔の開放と制圧を遂行する。ロッテーシャに召喚機の操作を命じ、聖域の機能の大部分を掌握したコルゴンは、実質的に聖域を支配下に置くことになった。
アザリー、アルマゲスト、ロッテーシャの三者が第二世界図塔に会し、召喚の実行に必要な状況が整うと、コルゴンは魔王術者の座を賭けてオーフェンと対峙する。しかし、それまで無抵抗に従っていたロッテーシャが一転して拒絶の意思を表し、必死の訴え掛けを行うコルゴンにライフルを向け、無言で引き金を引く。最終的に、魔王の力は残ったオーフェンへ渡る結果となり、自らが魔王に成り代わるというコルゴンの目論見は潰え去った。
その後編集
アイルマンカー結界の消滅後は行方知れずとなっていたが、「魔王」オーフェン抹殺の任務を負う暗殺者「サンクタム」として貴族連盟に雇われていたことが判明する。与えられた指令を1年近くも放棄し、タフレム郊外で酒浸りの堕落した生活を送っていたところ、オーフェンを追ってアーバンラマを目指すクリーオウに、騎士団の勢力圏であるキムラックを越えるための「協力」を求められる。
騎士隊に追われながらの険しい旅路の末、開拓団の出航予定の数日前にアーバンラマに到着。その夜、コルゴンはオーフェンに1年越しの決闘を挑むも、紙一重の差で敗北する。聖域での一件以来、コルゴンは魔術の構成を編むことが一切できなくなっていた。
原大陸時代編集
約1年後、キエサルヒマ大陸と原大陸を往来する連絡船(スクルド号)に増員の開拓民として紛れ込み、原大陸に上陸。紆余曲折を経て、魔術の力を取り戻す。その数年後には、オーフェン、マジクと共に戦術騎士団を結成し、神人種族やヴァンパイアとの戦いに身を投じる。
約20年後の『第四部』の時代では「エド・サンクタム」を名乗り、原大陸の戦術騎士団魔術戦士隊の隊長を務める。コードネームは「ナイトノッカー」。団内ではブラディ・バース(=マジク)と一、二を争う強力な魔術戦士として知られ、魔王術も会得している。
ハガー村の全滅戦の際、唯一の生き残りであるマキを養子に取り、共にローグタウンに在住する。近隣に住むフィンランディ一家ともささやかながら近所付き合いがある。
新シリーズ編集
リベレーター来航に際しては、部下達にアキュミレイション・ポイント港湾及び市内の警戒を命じ、自身は主要メンバーの内偵を担当。追跡中にリアン・アラートと交戦するが、捕虜となる。その後、ボンダイン・ベレルリのアジトに連行され、同じく捕えられたマヨール一行と合流。マヨールの機転で脱出を果たし、リアンと再戦したが結局逃げられ、スウェーデンボリー魔術学校へ帰還した。
その後も部下に指示を出しつつ、本人も各地へ奔走。戦闘においても自ら先頭に立って参加している。しかし、現出した合成人間マルカジットとの戦いで負傷、瀕死に陥り長期の療養を余儀なくされる。
戦術騎士団の再編に伴い、クレイリー指揮下の体制に馴染めずオーフェンが立ち上げたフィンランディ商会に入社、支援労働部長として自分と同じように戦術騎士団からあぶれた部下とキルスタンウッズ開拓団から出向した技術者達を取りまとめる立場となった。負傷しているため内勤が中心だったが、戦乱終結から半年後の時点になるとようやく傷も癒え、近く現場復帰をしようとリハビリに励んでいる。
技能編集
暗殺技能者としての実力は師のチャイルドマンに匹敵するか、あるいは凌ぐほどに極まっている。その強さは5年前の学生時代の時点で既に完成されており、さらに最接近領の傭兵として多くの実戦を重ねることでより洗練されていた。
魔術の技量はアザリーやレティシャをも圧倒するレベルで、チャイルドマンの評によれば「天分ではアザリーに勝り、出力ではレティシャに勝り、完成度ではフォルテを上回る」。しかし、オーフェン曰く、《塔》にいた頃は魔術を使うことはほとんど無かったという。
チャイルドマンから非公式にオーフェンと同一の暗殺術を学んでいる。アザリー曰く、オーフェンが「技」を受け継いだのに対し、コルゴンは「強さ」を受け継いだとされ、後にジャック・フリズビーからは「同質で正逆の存在」と対比された。
オーフェンと共に《塔》の秘蔵である狙撃拳銃の訓練を受けており、最接近領の任務でも狙撃拳銃「テンペスト」や施条銃(ライフル)を愛用する。施条銃の使用には極度の精神集中が必要であり、そのために自身に薬物を投与することがあり、服薬暗殺者としての一面も持つ。
戦術騎士団の隊長としては、シスタを始めとする一癖も二癖もある魔術戦士をまとめる等、指揮官としても優秀。ただし、作戦立案は任務遂行を第一としており、腹心のシスタであっても捨て駒にする事を躊躇しない。
黒魔術編集
人物編集
性格は極めてシビアで、行動は常に合理的な思慮によって裏付けられている。時に度を超した自信家のように振舞うことがあるが、自己の能力を冷静に評価した結果であり、それを傲慢とは欠片も感じていない。戦術騎士団時代もそれは変わらず常に気を張り詰めていたが、フィンランディ商会に入社してからは最強の魔術士である必要がなくなったため、多少態度は軟らかくなっている。
無表情・無感動のように見えて、どこか浮世離れした価値観を持つ。が、本人にはあまりその自覚が無く、作者いわく「天然」である。しかし目的のためなら手段を選ばない冷徹さと徹底したエゴイズムの持ち主でもある。人間的な感情が全く無いかといえばそうでもなく、ロッテーシャと結婚したのも任務のための手段としてだけではなく、なんらかの感情の動きがあったからではないかとハーティアは分析している。 事実、20年後となった第四部時代にはロッテーシャをさして「愛した女」と評している。ただし、合成人間によって現出された姿が出会った頃のままだったため、マキからロリコン疑惑を持たれている。[2]
《塔》の学生時代は、お互いに奇抜なところがよかったのかコミクロンとの相性が大変良かった様子で、またコミクロンの実力を高く評価しており、第一部より1年前が舞台の「コミクロンズ・プラン」では最接近領へスカウトしていたことが明かされている。一方で、アーバンラマ北側(=富裕層)出身であるフォルテとはそりが合わなかったと振り返っている。なお、自身の無愛想さには一度問題意識を持ったものの、キリランシェロの一言で解消、彼は後にコレで後悔するハメとなった。
普段から口数が少く表情もあまり変えないため、手振りや仕草で感情を表現している。唇の傷跡を撫でる時は不機嫌な時、目を閉じてモノを言う時は言い難い事を言う時等、(主にフィンランディ姉妹が)その時の状況等で判断している。
家庭的な面においては徹底的に向いておらず、子供の扱い方すら心得ていなかった。義理の息子マキにしてあげられた事は「無視しない事」だったが、会話も何もなく、マキの行動に興味を持つ事さえ無理だったという。
趣味も持たないため、家ではただなにもせずじっとしているだけであるらしい。
名前編集
数多くの名前を持つ理由は、自身が携わった計画に応じて異なる名前を使い分けているためである。それら全てを連ねることで自身のフルネームとし、オーフェンから「呪文のような名前」と表された。
「コルゴン」は《牙の塔》、「ユイス」は最接近領、「エド」はナッシュウォータ、「サンクタム」は魔王暗殺計画、「エルス」は予期せぬ揉め事に出くわした時用の偽名で、タフレムの酒場などで使っていた。ちなみに最も古い名はユイスとされ、また最接近領領主アルマゲストからは「旧友」と呼ばれていた。原大陸に渡ってからは「エド・サンクタム」と名乗り、公式の名前として認知されている。
関連人物編集
チャイルドマン教室
- チャイルドマン・パウダーフィールド - 師
- コミクロン - 相棒
- フォルテ・パッキンガム - 先輩
- レティシャ・マクレディ - 先輩
- アザリー - 先輩
- ハーティア・アーレンフォード - 後輩
- オーフェン・フィンランディ(=キリランシェロ) - 後輩、上司
プライベート関係
- ビードゥー・クリューブスター - 師、義父
- ロッテーシャ・クリューブスター - 元妻
- マキ - 長男(養子)
貴族連盟
- アルマゲスト・ベティスリーサ - 友人
- ウィノナ - 同僚
- リアン・アラート - 因縁
戦術騎士団
- マジク・リン - 同僚
- クレイリー・ベルム - 同僚
- シスタ - 部下
- ラッツベイン・フィンランディ - 部下
- エッジ・フィンランディ - 部下
声優編集
- 松山鷹志
- ドラマCD : 魔術士オーフェンはぐれ旅 (新シリーズ) (2012年-2014年)
- ドラマCD : 魔術士オーフェン しゃべる無謀編 (2012年 - 2013年)
脚注編集
登場作品編集
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