原大陸開拓史年表
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原大陸開拓史年表(げんたいりくかいたくしねんぴょう)では、『魔術士オーフェン』新シリーズに至るまでのキエサルヒマ大陸と原大陸における歴史を年表化する。
主な出来事[編集]
バルトアンデルス事件[編集]
赤光帝42年頃、バルトアンデルスの剣の制御実験に失敗し、被験者であった天魔の魔女アザリーが怪物化するという《牙の塔》始まって以来の不祥事が引き起こされた。スクールの台頭以来ただでさえ《塔》の権威は失墜する一方の中、仮にも《塔》を代表する術者が実験に失敗するなどあってはならない事だった。《塔》上層部はアザリーの名前と経歴を抹消し、担当教師であるチャイルドマンに抹殺を命じた。それらの処遇を巡って実験の参加者であったキリランシェロ(後のオーフェン)は不服を言い渡し、名前も経歴も捨てて《塔》を飛び出していった。
それから5年、怪物となったアザリーはトトカンタに姿を現した。偶然その場に居合わせたオーフェンはエバーラスティン家が秘匿していたバルトアンデルスの剣を使って元に戻そうと試みるが、同時にそれはかつての師と仲間を敵に回す事でもあった。紆余曲折を経てアザリーを人間に戻すことに成功したが、同時にそれは師チャイルドマンを死なす事になり、アザリーとオーフェンは互いに決別し、独自の道を歩むこととなった。
人間に戻ったアザリーは師が残した遺産と記録からキエサルヒマに迫る危機を知り、その中心地であるキムラックへ向かうと同時に、オーフェンをキムラックへと導いた。
アイルマンカー結界の崩壊[編集]
赤光帝47年頃に勃発したキムラック事変の最中、始祖魔術士オーリオウルのアイルマンカー結界に阻まれていた女神が上陸を果たそうとしていた。女神の侵攻はアザリーの尽力によって一時は阻止されたが、それと前後してオーリオウルは死去。キムラックの最奥部にあった結界の穴も別の地に転移されてしまった。この事態を察知した聖域と、それに抵抗する諸勢力は来たるべく事態に備えてそれぞれ行動を開始した。
結界の穴が聖域の上空に転移し、女神の再侵攻が2週間前後に迫った頃、最接近領の崩壊と同時に宮廷魔術士《十三使徒》が聖域への侵攻を開始する。最接近領領主アルマゲスト・ベティスリーサの要請を受けた形でオーフェン一行も聖域に向かっていた。
オーリオウルの死によって不安定となったアイルマンカー結界の維持を巡って敵味方双方で互いに互いを裏切り合う攻防の末、魔王スウェーデンボリーの力を狙うユイス・コルゴン(後のエド・サンクタム)が聖域の中枢である第二世界図塔を占拠する。しかし、些細なアクシデントから魔王の力はコルゴンからオーフェンに移ってしまった。魔王召喚の人柱となったアザリーはオーフェンにオーリオウルの遺言を託し、決断を委ねた。アザリーから託された記憶からアイルマンカー結界こそが絶望を生んでいた事を悟ったオーフェンは結界を内側から破壊し、女神を世界の果てへと追放した。
アイルマンカー結界の崩壊によって神々からの侵略に対しては無防備になったが、代わりに新大陸への道が拓かれ、キエサルヒマ大陸が集中的に狙われる危険も失われた。しかし、それによって生じた混乱は王立治安構想の崩壊をもたらし、キエサルヒマ内戦の契機となった。
新大陸の発見[編集]
赤光帝48年頃、混乱状態に陥ったキエサルヒマ大陸に見切りを付けたアーバンラマの一部資本家は、難民化した元キムラック市民をかり集め、大陸外洋の新天地の発見と移住を目指す「外大陸開拓計画」を打ち上げた。このプロジェクトは資本家が市議会の承認を取り付けたことで、市をあげて推進されることとなった。
まず先遣隊となる第一次計画の船団がアーバンラマを出発したが、航海中に全ての船が消息を絶ち、開拓事業団は計画の立て直しを余儀なくされた。それから約半年遅れでサルア・ソリュードを指導者とする第二次計画が出発。約3ヶ月の航海を経て、サルア計画は原大陸海域に到達した。
開拓時代[編集]
- 黎明期
原大陸に上陸した開拓団(サルア派)は、消息不明となっていた先遣隊と原大陸で遭遇した。ラモニロックとカーロッタ・マウセンの洗脳を受けて新生キムラックの建設を進めていた先遣隊(カーロッタ派)は、サルア派が資本家や魔術士の支配を受け入れていることを理由に敵対。邂逅から半年近くに及ぶ抗争の末、カーロッタ派がサルア派に吸収される形で合流を果たした。
しかしその数年後、キエサルヒマの開拓公社が原大陸の開拓事業に参入し、「遅れてきた開拓団」が原大陸に到来すると、再び開拓民の間で資本家と魔術士に対する反発の気運が高まり、以後20年以上続くことになるオーフェンと旧カーロッタ派の対立構造が生まれた。
- 神人種族の出現
赤光帝51年頃、原大陸海域に出現した神人種族メイソンフォーリーンが航行中のスクルド号を襲撃。スクルド号は船長のキャプテン・キースと共に海に没し、キエサルヒマとの連絡が断たれてしまう。オーフェンは神人種族に対抗するための組織的な力の必要性を主張し、戦術騎士団を設立した。
赤光帝52年頃、ニューサイトに神人種族デグラジウスが襲来。数ヶ月の交戦の後、デグラジウスはオーフェンによって「消去」されたが、戦場となったニューサイトは壊滅的な打撃を受け、残留した強力な毒素のため復興も絶望的となった。アキュミレイション・ポイントが暫定的な行政区として再開発されたものの、壊滅したニューサイトにはアーバンラマの資本家が集中していたため、その勢力は大きく弱体化した。
- 行政府の誕生
各地の開拓村が十分に発展し、原大陸の主権を巡る各村の主張が活発化し始めたことがきっかけとなり、原大陸全体を統括する連邦政府が樹立される。初代大統領には、以前の壊滅災害で見せた迅速な対応が評価されたエドガー・ハウザーが選出された。
新シリーズ[編集]
- アキュミレイション・ポイント遷都
デグラジウス襲来によって首都ニューサイトは壊滅。残留した強力な毒素で土地は汚染され、居住はおろか立ち入る事さえ困難な状況に陥った。そのため、開拓物資の集積場であったアキュミレイション・ポイントを第二のニューサイトとして遷都、首都として再開発される事となった。これによってアキュミレイション・ポイントは正式な行政区となり、大統領府が設置された。
- スウェーデンボリー魔術学校開校
ニューサイト壊滅の事後処理が一段落した頃、魔王オーフェン・フィンランディはラポワント市にスウェーデンボリー魔術学校を開校する。それに伴って戦術騎士団を再整備し、戦闘訓練過程を卒業した生徒から審問して魔王術を伝授する制度を確立。さらに、壊滅災害への迅速な対応を容易とするために、魔術士の行動制限を一時的に解除する神人対抗措置執行判定の制度も制定された。
- 戦術騎士団壊滅
《牙の塔》の使節マヨール・マクレディが原大陸を訪問してから約3年後、自由革命組織の頭領カーロッタ・マウセンが突如として消息を絶った。原大陸の各機関が行方を捜索している最中、突如としてシマス・ヴァンパイアが騎士団本拠地に襲来。魔王術記録碑を破壊し、騎士団を半壊させた。オーフェンは一連の責任を取って校長職と騎士団司令を辞職。議会に拘束される事になった。
- リベレーター来航
戦術騎士団壊滅から約数日後、アキュミレイション・ポイントに一隻の黒船が来航する。黒船「ガンズ・オブ・リベラル」を所有する革命支援組織リベレーターは圧倒的軍事力でアキュミレイション・ポイントとラポワント市を制圧、秘匿されていた魔王術を暴露し、反魔術士・反資本家を唱えて大衆を扇動した。しかし、肝心の頭領カーロッタ・マウセンは一度として姿を見せず、実際に共闘を唱えたのは末端の幹部で一市議会議員に過ぎないボンダイン・ベレルリであった。この事態はリベレーターにも少なからず動揺を与え、計画の練り直しを余儀なくされた。今後カーロッタがどう動くかも含め、余談を許さぬ状況となった。
- 魔術学校攻防戦
リベレーターとの共闘を宣言したボンダイン・ベレルリが革命闘士組織の内紛で死亡した事で、戦術騎士団と反魔術士同盟との戦況は膠着状態に陥った。その状況下でも、魔王オーフェンの処遇を巡って大統領邸とリベレーターとの間に複雑な駆け引きが行われていた。遂にハウザー大統領はカーロッタ派とリベレーターを壊滅災害の元凶と断定、排除に乗り出す。一転して窮地に追いやられたヒクトリア・アードヴァンクルはガンズ・オブ・リベラルを浮上、武力による制圧を試みる。それと前後してオーフェンも警察本部を脱走、革命闘士との全面対決を宣言する。リベレーターとの決戦はスウェーデンボリー魔術学校を中心に繰り広げられ、地の利を生かして圧倒的多数を誇るヴァンパイアをことごとく撃退するも、騎士団側も少なくない犠牲を払った。ガンズ・オブ・リベラルも直接乗り込んできたオーフェンによって陥落され、総大将ヒクトリアも討ち取られた。その直後、ローグタウンを覆うようにアイルマンカー結界が出現。原大陸における戦乱は、キエサルヒマからの独立をかけた戦いから、壊滅災害へと推移していく。
- ローグタウンの結界
結界の出現はリベレーターの残党ジェイコブズ・マクトーンによるものだった。キエサルヒマで研究されていたクリーチャー技術の開発指揮を執っていた彼は、天人種族の複製体を生み出す事に成功する。沈黙魔術の始祖魔術士を再設定し、聖域から召喚機を持ち出したジェイコブズは魔王召喚を試みる。しかし、それを阻むマヨールによって試みは失敗し、ジェイコブズは死去。結界も取り払われた。それに呼応するかのように、今まで行方をくらましていたカーロッタ・マウセンがローグタウン近辺に姿を現す。結界によって座標を特定した女神は、原大陸への帰還を開始。大陸全土を巻き込んだ壊滅災害は、今ここに最終局面を迎えた。
- 天世界の門
公の場に姿を現したカーロッタ・マウセンは原大陸政府に対し宣戦布告をすると同時に、女神は今後姿を現す必然性はなくなったと宣言した。根拠は、ローグタウンに幽閉されたスウェーデンボリーをドラゴン化した配下のシマスに取り込ませ、誰にも滅ぼしえない真の巨人へと進化させたからである。無論その行為は人化を引き起こし、世界をひとつの完全物質へと還してしまうことだが、あくまでそれは遠い未来の果ての出来事でしかなく、変化と同時に滅びを司る神々にとっては問題にならなかった。むしろ、女神が襲来する本当の理由は巨人化を食い止めるための手段とされた魔王術と、魔王術を武器とする戦術騎士団にあった。常世界法則を捻じ曲げる魔王術は危険強度に至ったヴァンパイアを消去できるだけでなく、神々の現出さえも克服しうるものだった。しかしそれは変化の可能性を否定し、滅びを加速させる代物であったため、逆に神々を引き付けてしまう形となっていたのだった。
魔王術の根源であったスウェーデンボリーがドラゴンに取り込まれ、神々が襲来する必然性がなくなった以上、オーフェン・フィンランディが戦術騎士団を率いて権力の頂点に立つ理由がなくなり、現体制に不満を抱く団員と権力者たちによってその座を追われることになった。
- 原大陸大戦
オーフェンの追放によって原大陸の独裁体制が完全に崩壊したが、今度はオーフェン失脚後の原大陸を誰が握るかで論争が巻き起こった。しかし、大統領邸を始め、ラポワント市も原大陸の覇権を握る大義名分もなく、カーロッタ派もローグタウンから一歩も動こうとしなかった。そんな中、突如現出した合成人間マルカジットが暗躍を始める。合成人間が求めるのはオーフェンに代わる新たな《魔王》であり、その鍵となるのが召喚機によって生み出された魔剣オーロラサークルだった。いつしか「シマスを倒し、オーロラサークルを手にしたものが次の原大陸の覇者」という認識が瞬く間に広まり、大統領邸、市議会、カーロッタ派による原大陸全土を巻き込んだ大戦に発展した。戦術騎士団も戦後の処遇を巡って市議会に与し、原大陸の覇権を巡る戦争が本格化した。
しかし、最終的にこの戦いは勝者がいない形で終息することとなった。大戦の火付け役となった合成人間は《塔》の特使マヨールの一行によって撃破され、オーロラサークルもドラゴンに取り込ませることで封印されてしまったからである。加えて、追放された魔王オーフェンに所々で妨害され本格的な衝突に至らず、どの勢力もいたずらに消耗するだけに終わった。
- 大戦終結後
オーフェンとカーロッタという権力の二大支柱を失った原大陸は、新しい体制に移って落ち着くまで半年以上の時間を必要とした。まず、ラポワント市は戦術騎士団の編入に伴いサルア・ソリュードを市王に据えた王制に移行。一時は解体寸前だったラポワント市議会は拡大した市政に対抗する形で復権、王権規律隊を設立させるなど王権の暴走を阻止する制度を制定した。一方、大統領邸も今後を鑑み、ニューサイト復興を含めた再開発計画を練り始める。諸勢力を調整するように活動するのが、荒野に追われたオーフェン一家が設立したフィンランディ商会である。各地で起きる揉め事の調停を請け負い、体制を固めつつあった。
年表[編集]
赤光帝47年 ~48年 |
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赤光帝48年 | |
赤光帝49年 | |
赤光帝50年 |
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赤光帝51年 |
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赤光帝52年 | |
赤光帝58年 |
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赤光帝64年 | |
赤光帝65年 |
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赤光帝68年 |
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赤光帝71年 |
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赤光帝71年 ~ |
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赤光帝72年頃 |
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